ルフラン
現在ではもっぱら「小説」の意味で使われているnovelも、『オックスフォード英語辞典』(OED)によれば、十六世紀後半から十七世紀前半にかけては、『デカメロン』とか『百物語』などを構成する個々の小話を指す一方、novelに「新しい(new)」の意味もあることから、印刷されたバラードや一枚刷りのビラ形式の「時事ニュース」をも指した。また、事実に関係するニュース・レポート(reportにはOEDによると、噂話、風聞などの信憑性のない事実という意味が十七世紀にはあった)にしても、下層階級の好奇心を満たすための事実をよそおったいかがわしい作り話という意味もあり、「ニュース」と「ノヴェル」は、十七世紀の段階では事実と虚構両方を意味する語だった(ニュース=事実、ノヴェル=虚構の分割が確定するのは十八世紀中ごろである)。
- 作者: テリーイーグルトン,Terry Eagleton,大橋洋一
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1997/02/26
- メディア: 単行本
- 購入: 3人 クリック: 116回
- この商品を含むブログ (60件) を見る
OEDは持ってないですが、メリアン=ウェブスターによればnovelの第一語義は「(廃語)一片のニュース」で、この意味での初出は十五世紀。かたやhistoryの第一語義は「現実ないし空想上の事物、人物、経歴にかかわる諸事件の語り」とあり、となるとnovelとhistoryのあいだでもやはり事実と虚構の分割の取り違えが起こってしまう、という、こっち方面に話を持っていくと、たしかに面白いですが、きっと専門の人に聞いたら必読文献がどっさり、なんだろうな。
****************
今朝は三時ごろから起きていて、老母の眼科の日なので早く目が覚めてしまったというか、早起きというより半徹夜ですな。
電気カミソリが充電異常で使用できず。仕方なくT型のかみそりを使ってますが、うんこれで十分だ。