俺にはブルーズを歌う権利なんかない

どこにも所属を持たず仕事/勉強/読書を続けています。2008年、音楽についてメモ代わりに書くためにこのブログを始めました。

レイヴ・オン


Buddy Holly - Rave on! - YouTube

 早朝が好きですね。仕事というか勉強というか読書というか、朝が一番はかどる気がします。

 4時半ごろ、夏なら空が明るんでいますが、この時期は真っ暗。勉強部屋のストーブをつけて、2時間半かそこら、横文字の本と格闘。

 気づけば9月ごろから冬ごもりなどと言うことを書いて、今年の冬ごもりはブルーズだ! とばかりにCDを買いあさっていましたが、12月を目前にして、ブルーズにはもうちょっと飽きてきました。一日中マディ・ウォーターズ、などという日が続きましたから。

 でもって今日はオールディーズの3枚組"The Cruisin' Story 1955-1969"。これも1000円しなかったはず。いいなあ。ほっとします。で、作業が一段落ついたのでCD3の途中でストップボタンを押したんですが、その時かかっていたのがバディ・ホリーの「レイヴ・オン」。あっ、これ!

 そう、この曲、ブラックキャッツがカヴァーしてましたよね。「あの子誘ってサテンに、行ってもちっとも駄目さ 学校さぼって映画観てもぜんぜんつまらないし ショックショック TVで見たのさモンスターマシン」って、今iTunesで確認すると「夢のビッグマシン」というタイトル。TVで目にした巨大バイクに心を奪われ、何も手につかなくなるテディボーイの心情を歌ったもの。

 本家バディ・ホリー「レイヴ・オン」は、君の言葉、君のしぐさを見たり聞いたりしてると、離れられなくなってしまう、という恋歌ですが、その、女の子に身も心も奪われるという熱狂の対象をバイクに置き換えると「夢のビッグマシン」になるのですね。だから、あながち両者の歌詞は完全に無関係でもない…

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 ときどき(特に冬)、こういう古いアメリカのポップミュージックが聴きたくなります。この辺の街のたたずまいがアメリカの田舎町に似ている…などと主張するつもりは毛頭ないのです。ただ、70年代終わりから80年代にかけて、この地方の若者の文化も御多分に漏れずオールディーズやロカビリーの洗礼を受けました。そのころ、リーゼント君たちが放っていた、もう不良文化としか言いようのないものの匂いがあちこちに残っていて、つぶれた喫茶店や中古レコード店などにその痕跡を見出すことができるんですね。

 …って何の話? 「レイヴ・オン」と、それを収めたCD3枚組『クルージン・ストーリー』の話。いいなあこの解放感。こういうの聴いてた人たち、みんないいおとっつあん、お母さんになっちまったのかなあ(いやあ、リーゼント君たちはあんがいディスコものとか聴いてたかもしれませんね)。

 

Cruisin Story 55-60

Cruisin Story 55-60