トワイライト~夕暮れ便り
不思議な夢を見ました。
場所は、あれはたぶん昔暮らした東北の某県庁所在地なんだと思う。雨が降っていて、薄暗くて、そこのバスターミナルで、ぐでんぐでんに泥酔したn森a菜をもてあましていた。正体なく酔いつぶれた彼女は、しつこく、次のバスで一緒に東京へ行って、とせがむ。ぼくは「俺んちは北海道にあるから、悪いけど行けない。ここでお別れだ」となんとか逃れようとする。それでいてぼくは、挫折をくりかえし、往年の明るさも失った彼女に同志的ともいえる強い愛情をもっていて、彼女がぼくのことを信じて頼り切っていることも、自然に感じている…
いえ、ですからこれはあくまで明け方に見た「夢」でして…
不思議な夢、と書きましたが、夢はみな不思議なもので、不可解な要素の全くない夢などありません。どんな抑圧された願望が、こんな生々しい夢となって表れたのか。乱れた襟元、化粧のはげかけたやつれきった顔、長い髪を数日後の今日も思い出せるほど。
しかもあれは夕暮れで、雨が降っていました。80年代文化には、その全盛期においてすでにどこか濃厚なたそがれの気配がたちこめていたのを思い出します。これも、この夏聴き続けたエイティーズばかり40曲も集めたiPodのプレイリストのせいなんだろうか…
アマゾンのキンドルは去年買ったけど、ほとんど使っていません。でもあの中に、フロイト『夢判断』をダウンロードしておいたんじゃなかったっけ…昔それこそ、あの東北の某市のバスターミナルか駅のようなところで『夢判断』を読んでいた思い出があるというのは、もう出来すぎた偶然です。そして、偶然だけがいつまでも神聖で、美しい…