俺にはブルーズを歌う権利なんかない

どこにも所属を持たず仕事/勉強/読書を続けています。2008年、音楽についてメモ代わりに書くためにこのブログを始めました。

ブラヴォー「黒猫」


YouTube: Браво - Чёрный Кот


YouTube: 平尾昌晃 - ミヨちゃん

 初めて入った大学では思った通りのことが学べなくて、学業はものにならなかったんですが、それでも、そこで習ったいくつかのことが、その後の自分の血肉と化して役に立っていることを感ずることがあります。

 のちに文学部の大学院生になったときも、論文の書き方というのはまったくの我流で、英文学のこれとロシア文学のこれを読み比べて異同を論ずる、というような書き方だけを実践しました。「こういう比較文学の方法をどこでならったの?」と訊かれることもありましたけど、自分は比較文学の講義なんて一度もとったことがないのです。間テクスト性という概念をどこかで聞きかじって、それなら自分にもこなせそうだ、と思って使っていただけですが、もっとさかのぼれば、最初の大学の「経済数学」で先生が話していた「論文の書き方」に影響されているのかな、と感じます。結局、経済数学の単位は落としちゃったんですが、あるとき先生曰く、論文というものを書くには、まず先行論文をふたつ読め、とのこと。読み比べて、ここは同じだけどここが違う、という発見があれば、それが論文のきっかけになる、と。この言葉は僕のふかいところに入り込んで血肉化し、文章の書き方から本の読み方、音楽の聴き方にまで影響し続けています。

 ロシアのポップ・ロックグループ「ブラヴォー」は大好きなバンドで、カセットをいっぱい持っていましたが、磁気がおかしくなって聴けなくなってしまい、大変残念。なかでも「黒猫」という曲は、平尾昌晃さんの「ミヨちゃん」をほうふつさせる旋律とアレンジで、もう大好きでした。僕のもっていたカセットでは女性ヴォーカルで、あれがもう一度聴きたいなあ…と思いながら動画サイトなどのぞいています。