俺にはブルーズを歌う権利なんかない

どこにも所属を持たず仕事/勉強/読書を続けています。2008年、音楽についてメモ代わりに書くためにこのブログを始めました。

T-ボーン・ウォーカー「エヴリディ・アイ・ハヴ・ザ・ブルーズ」

ライトニン・ホプキンスから一転、T-ボーン・ウォーカーを聴いてます。この週末は本を読んでたので、CD店のたぐいには行けず、そのかわり、iTunesStoreでT-ボーン・ウォーカーのライヴというのを買いました。

T-ボーン・ウォーカー。ブルーズのなかでもぐっとスインギーな、垢抜けた都会的奏法で知られるモダンなギター奏者。だから、iTunesでのジャンルがズバリ「ジャズ」と表記されているのは、あながち間違っちゃいないんですが、何の留保もなく「ジャズ」と言われるとちょっとなあ…これ、問題じゃないんですかね。

とか、くだらないことにこだわっていると、この人のすごさはわからないのかもしれません。無知な僕は何かと英語のWikipediaなんですが、それによると、チャック・ベリーに影響を与え、さらにはジミ・ヘンドリックスの少年時代からのギター・ヒーローだった人。ジミヘンよりずっと以前にギターを歯で弾いたり、背中で弾いたりしたというから(これジャケ写で有名ですよね)、やっぱりジャンルを超えたエレクトリック・ギターの革新者なんですね。

昔、アトランティック録音の数曲を収めたアルバムがワーナーから出てて、あれは本当によく聴きました。あの音色を聴きたくて買ったのですが、これ、よく見るとずっと時代は下って1973年発売のライヴ盤です。題して『ストーミー・マンディ』と、代表曲がタイトルになってますから、勘違いしてしまいましたが、この盤でのT-ボーンは、タイトなバンド・サウンドに乗って、完全に70年代のブルージシャンになってます。「エヴリディ・アイ・ハヴ・ザ・ブルーズ」も、リズムはファンキーでシェイキーでダンサブル、サックスが鋭く吼え、電気ピアノがスリリングに転がります。これが盤の一曲目なんですが、もうノリノリ。T-ボーンは1975年に亡くなっているといいますから、最も後期の録音のうちなんでしょうけど、枯淡の境地どころか、まったく堂々たる伊達者ぶりです。カッコいいです。

毎度毎度iTunesのことを書いてますが、きちんとバックアップを取らないと…ということに最近ようやく気づきました。