俺にはブルーズを歌う権利なんかない

どこにも所属を持たず仕事/勉強/読書を続けています。2008年、音楽についてメモ代わりに書くためにこのブログを始めました。

しまざき由理「面影」

何年前のことだったでしょうか、遠くに住む後輩たちがTBSドラマ『Gメン75』の再放送に熱中しているらしい、と知りました。どこのチャンネルでやっているかは聞かなかったんですが、録画して繰り返し観ては、その暑苦しいまでの魅力にハマっているらしい…

調べたら、なんかDVDのボックスとかも出ているらしいと知りましたが、ちょっと手が出ませんでした。で、僕がアマゾンのマーケットプレイスで注文したのはその主題歌、しまざき由理「面影」。いまは見かけることのなくなった、短冊型の、小さなシングルCDです。で、繰り返し聴きました。

いつかきた道 あの街かどに

ひとり求める 思い出いずこ

ああ一度だけ 恋して燃えた

ああ あの時はもう帰らない

かなうはずない 虚しい祈り

さすらい歩く 悲しみの街

(佐藤順弥作詞)

過去の恋を振り返り、心の中で別れを告げ、そして旅立つ…70年代の歌謡曲、としかいいようのないこの空気感。あまりに典型的なためにかえって匿名性すら感ずるほどです。歌手の名はしまざき由理。いい歌い手さんです。

ふとしたことで、この人、「ハクション大魔王」の主題歌を歌っていた人だと知りました。道理でうまいはずですわな。今調べると「みなしごハッチ」もこの人らしいです。どちらもグルーヴ感あふれる、パンチの効いたR&B風味の主題歌でした。あれをおませに歌いこなしていた少女歌手が、成長してこんな情感たっぷりのムード歌謡を歌うようになる、というところに音楽の面白さがありますよね。うん、佳曲です。