俺にはブルーズを歌う権利なんかない

どこにも所属を持たず仕事/勉強/読書を続けています。2008年、音楽についてメモ代わりに書くためにこのブログを始めました。

早乙女愛「魔法の鏡」

数年前の秋、実家の近くの喫茶店でアイスコーヒーを飲んでいたとき、有線からこの曲が流れてきました。

荒井由美作詞・作曲 竜崎孝路編曲 早乙女愛「魔法の鏡」(1976年)

この曲は、荒井由美自身が歌っているヴァージョンのほうを死ぬほど聴きました。大好きな曲です。歌手・女優だった早乙女愛が歌っているのは当時TVで一回観たことがあるくらいで、全然なじみがなかったですが、スピーカーから流れてきたとき、その清らかな歌声に、心洗われるような強い感銘を受けました。しばらく呆然としたほどです。ユーミンのヴァージョンは1974年の『MISSLIM』収録。ですからこれはカバーということになります。ユーミンとは歌詞が一箇所違うのと、「あれが最初で最後のほんとの恋だから」の部分の符割りがやや違うのも印象的。これはCDを手に入れたい、と強く思いました。

アマゾンをさんざん検索した挙句、ソニーの「DREAM PRICE1500」とかいうシリーズの、『ヤング・ポップス'70sベスト・ヒット~女性ボーカル編』という、なんとも安手なアンソロジーに収録されているのを発見、購入しました。あらためて聴くと、同じユーミン作の三木聖子「まちぶせ」と比べても何ら遜色のない、質の高い歌唱です。アルバムには他に南沙織「17歳」、天地真理「水色の恋」、浅田美代子「赤い風船」などが収録されていますが、僕は「魔法の鏡」だけ繰り返し聴いています(この曲だけクオリティが抜きん出ているような気がするのはひいき目でしょうか)。忙しくてCDを聴く時間もないような日に、寝る前、この曲を一回だけ聴くと、安心してぐっすり眠れます。…そうかゆうべよく眠れなかったのは、これを聴かなかったせいかも。