俺にはブルーズを歌う権利なんかない

どこにも所属を持たず仕事/勉強/読書を続けています。2008年、音楽についてメモ代わりに書くためにこのブログを始めました。

ミスゴブリンのおとみさん

金曜の夕方は、ずっとTVを観てました。NHK-BSで『春日八郎と三橋美智也』という番組が流れていたんですが、大変中身の濃い、見応えのある番組でした。僕はなぜか子供の頃から春日八郎が好きで、よく行く床屋さんのおじさんが春日八郎にそっくりだったことなども鮮明に憶えています。この番組でも、「赤いランプの終列車」、よかったなあ(なんだか野沢あぐむさんみたいになってきましたが)。

で、いろいろ興味深いエピソードも紹介されていました。そのひとつが、「お富さん」の大ヒット。ヒットしすぎて、その後いくら新曲を出しても、行く先々で「お富さん」ばかり求められるので、しだいに自身の最大のヒットを憎むようになる…よく聞く話ですね。舟木一夫も「高校三年生」でそういう思いをしたのでしょうし、佐野元春だって「SOMEDAY」を歌うのがいやになった時期があったそうですから。ボブ・ディラン「風に吹かれて」、岡林信康「友よ」という例も我々は知っています。三枚組LP『狂い咲き』での岡林の自虐はあまりにも有名。「『友よ…』、ここでだれか『ナンセーンス』って言ってくれませんかね。(客席「ナンセーンス!」)ありがとう、異議なし」。あまりにヒットしすぎた持ち歌があると、その後のアーティスト人生がいかにつらいか、そのことの証明です。

ミスゴブリンミスゴブリンのおとみさん』は春日八郎、三橋美智也などのカバーとコントからなるアルバム。「おとみさん」が「TOMMY」になってしまう今風のカバーです。でも、このアルバムで一番よく聴いたのは「さよならはダンスの後に」かなあ。何度もリピートして聴いて、当然そのあと『セーラームーン』のベスト盤をひっぱり出して「ムーンライト伝説」を聴く羽目になるわけですが。