俺にはブルーズを歌う権利なんかない

どこにも所属を持たず仕事/勉強/読書を続けています。2008年、音楽についてメモ代わりに書くためにこのブログを始めました。

愛しのティナ

"I cannot understand why you should wish to leave this beautiful country and go back to the dry, gray place you call Kansas."

"That is because you have no brains," answered the girl. "No matter  how dreary and gray your homes are, we people of flesh and blood would rather live there than in any other country, be it ever so beautiful. There is no place like home."

 

The Wonderful Wizard of Oz (Oz Series Book 1) (English Edition)

The Wonderful Wizard of Oz (Oz Series Book 1) (English Edition)

 

  札幌では、夕食を誘われて楽しいひと時だった。東区の、たぶん地下鉄駅からだと歩いていくのかかなりめんどうそうなそば屋兼居酒屋。

 居酒屋でジャズが流れているのは二十数年前くらいからまったく当たり前のことで、そのことは別におどろきでも何でもないが、しかしふだん田舎の実家にこもりきりの身ではそういう店に行くなんてことはないので、いっときピアノトリオの流れるこじんまりした店でノンアル飲料を飲んでいると、ああ、忙しい勤めがあってたまにこんな店でほっとできるというのがいいんだろうな、と思ったりした。

 ふだんもこの部屋の廊下をへだてた私設研究室でそういうものは鳴らしている。ただ、都会の喧騒にまぎれてジャズ喫茶や蕎麦居酒屋の暗がりで孤独を堪能する…といった感じとはもうだいぶ違う。都会のどこかで一人きりの時間をかみしめているときは、寂しくなかったと思うのだ。いまは、何を聴いても、あとにはCDの静止する音とともに、しんとした寂しさがやってくる。

 昨夜も、何か明るい夢を見ながら眠っていた気がするけれど、もう思い出せない。おうちにいるのが何より好きな自分だが、おうちのあまりの居心地の良さにときどき自家中毒を起こして、文字通り何もできなくなることがある。だから、あえて数日よそに出かけるのは、その意味でも吉だ。

 特急のなかで読んでいたのは『オズの魔法使い』で、ずっと読まずに積んであったもの。旅行の前日、ひっつかんでかばんに入れておいた。もちろん平易な英語だからだが、少し気分が変わるだけですいすい読める。


和田静男 "SIZ WADA" - 愛しのティナ-

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