俺にはブルーズを歌う権利なんかない

どこにも所属を持たず仕事/勉強/読書を続けています。2008年、音楽についてメモ代わりに書くためにこのブログを始めました。

Jor Du~ポークソテーの日曜日

 一八七四年から一八七六年にかけて、『造形美術雑誌』にイタリア絵画に関する一連の論文が掲載された。その作者は無名のロシア人研究者イワン・レルモリエフだった。そしてドイツ語への訳者もやはり無名のヨハネス・シュヴァルツェという人物だった。その一連の論文は古典絵画の作者決定の新しい方法を提起しており、美術史研究家の間に反発や活発な議論をまき起こすことになった。数年後に、作者は顔を隠していた二重の仮面を取り去った。[…]

 

神話・寓意・徴候

神話・寓意・徴候

 

  老母が夕食のための豚肉と、凍らせておいた混ぜご飯の具をテーブルに出したまま、遊びに行ってしまった。いつものことだから、CNNを観ながら待ってた。なかなか帰ってこないので、自分で肉を焼くか、と思って、「ポークソテー」を検索する。いつも「トンテキ」と言っているが、だいたい同じだろうと思って。すると、ポークソテーは塩コショウをしたあと、小麦粉をまぶして焼くらしいのだ。いつもはそこまではしないが、やってみよう。で、小麦粉を探すが、ない。

 で、仕方ないので、老母の行き先のお友達の家まで迎えに行った。ちょうど玄関から、「いや~今日は楽しかったわ~」と言って老女たちが出てくるところだった。井戸端会議の日らしい。で、それはいいのだ。怒鳴ったりする必要はない。

 訊いてみると、小麦粉はうちになくて、たいていのものは天ぷら粉で代用してしまうのだという。まあそれでもいいや。豚肉に塩と、ブラックペッパー―、そして天ぷら粉をまぶす。そしてサラダオイルをフライパンにひいて焼く。切れ目を入れ忘れてちょっと反り返ってしまったが、まあいいだろう。肉を皿に取り、フライパンに残った肉汁に、しょうゆ、日本酒、砂糖を入れ、ソースを作る。これもレシピ通りにやるとなるといろいろ難しいのだけれど適当に。立派なおかずができた。レタスを添えて、日曜日らしい晩ご飯になった。

 しばらくは放心して過ごそうと決め、『バド・パウエル・イン・パリ』。病に苦しんだバドが、理解者にサポートされ、のびのび、思う存分弾いてる、そこが楽しいし、うれしいし、泣ける。


"Jor-Du" - Bud Powell