俺にはブルーズを歌う権利なんかない

どこにも所属を持たず仕事/勉強/読書を続けています。2008年、音楽についてメモ代わりに書くためにこのブログを始めました。

父さん~口唇ヘルペスの思い出

二七行 シャーロック・ホームズ

 

 わし鼻の、やせて骨ばった、かなり人好きのする私立探偵で、コナン・ドイルのさまざまな物語の主人公である。いまのところこれがどの物語への言及[…]なのかを確かめる手だてはないが、われらの詩人がこの〈後退する足跡の事件〉をでっち上げたのではないかと、わたしは疑っている。 

 

青白い炎 (岩波文庫)

青白い炎 (岩波文庫)

 

 五月が終わるんだから早い。まったく、一年があっという間で、ため息しか出ない。

 五月の北海道は、まだ寒いと思った方がいい。最高気温一五度くらいで、朝晩ストーブが必要な日が多い。かと思うと、ここ数日のように急に真夏並みの暑さが来ることもある。

 で、いつだったか、まだ勤めていたころ、今ごろの季節、昼ご飯を食べに喫茶店へ行ったのだ。で、かき揚げうどんがおいしいところで、それを食べてお冷を飲もうとして、あれ、うわくちびる、カミソリで傷でもつけたんだろうかと思うくらい、ひりひり痛いのに気づいた。

 それが口唇ヘルペスにかかった最初だった。くわしくは専門のサイトなど見てほしいが、これは神経のなかにいるウィルスが、疲れがたまって免疫が低下しているときに出てくるもので、その後、何度もぶり返す。ふた晩くらい夜更かししたり、三,四泊の出張で疲れがたまってきたら、もうきまってこれが出てくる。

 耳鼻咽喉科へ行くと薬をくれるが、薬局で売っている場合もある。ただ、薬剤師さんがいるところでないとダメとかで、以前入ったドラッグストアでは買えず、近所の別の薬局を教えてくれた。

 今は自宅にいるけれど、今年も、数泊の研究滞在をやるつもりで、ホテルでいつも寝られなくて困る。帰ってくると口唇ヘルペス、ということにならないといいな、と、いまから少し心配だ。ただ、教える仕事をしていたころのような重圧はないので、それで助かってはいる。

 大学の授業は、六月がものすごく苦しかったのをおぼえている。口唇ヘルペスだけじゃない、強行軍で東京出張へ行って帰ってきたら、扁桃腺が腫れたこともあった。

 相当に頑健な人でも、六月はきついともらすことがある。ぼくはもう教壇に立ってはいないけれど、六月になると、さわやかな天候に似合わない、蓄積した疲労や、口唇ヘルペス扁桃腺のことを思い出す。とにかくみなさん、身体を大事にしてください。


祐子と弥生 [父さん]