俺にはブルーズを歌う権利なんかない

どこにも所属を持たず仕事/勉強/読書を続けています。2008年、音楽についてメモ代わりに書くためにこのブログを始めました。

あなたの町 恋の町~2013年のFM番組の録音を捜す曇りの日

 MDに録音したラジオ番組がどっさりあるが、ふだんは聴き返すことがほとんどない。しかし今日、ふと数年前のNHK-FMの深夜にやっていた番組を思い出した。「とことんしゃがれ声重量級」とかいう二週にわたる特集だったと思うけれど、たしか録音したのだ。

 ヴィソーツキイやビーフハートハウリン・ウルフみたいなのが次々かかる…という期待とはうらはらに、そんなにしゃがれ声じゃない歌も多かった、しかし面白く聴いた記憶がある。案内役はもとバービーボーイズの杏子ねえさんで、それがよかったのだろうね。

 で、たしか昭和歌謡の回があって、そこで青江美奈「伊勢崎町ブルース」が流れたのだ。この選曲はしゃがれ声特集なら当然だけれど、杏子さんの解説がすごく面白くて、それで憶えていた。

 今日、その回のMDを捜したら、あったよ。2013年の12月の放送だ。聴き返すと、杏子さんこんなことを言ってる。「伊勢崎町ブルース」はイントロや間奏の青江さんの「あ~ん、あ~ん」というあられもないため息が話題だったけれども、小学生も当時さかんに真似をしていた。で、当時、杏子さんのいた千葉の小学校では歌謡曲は歌ってはいけないきまりだったので、ましてやあれはNG。ところがへ理屈をこねる生徒もいて、先生に「『あ~ん、あ~ん』は歌なんですか、歌じゃないんですか」と訊ねると、先生は「歌です。いけません」という、ね。

 これは字にすると、別にどうってことない思い出話なんだけれど、杏子さんのあの口調で話されると、もうおかしくてたまらない。ませた小学生の女子や先生の口調をまねるところが、もうなんか絶妙というか。こういうお話をしてくれるお友達が欲しい。

 他に、和田アキ子、リリィ、フランク永井松尾和子、宇崎竜童、藤圭子江利チエミ美空ひばり、そして杏子さん本人と、まあそんなにしゃがれ声じゃない人も入っているけれど、楽しい掘り出し物で、お酒呑み生活をしていたらまちがいなくいいつまみだろう。でももう飲まないからねぼくは。

 で、こんなもの貼っておく。当時知らないけれど、いいなあこういうの。音源、どこかにないだろうか。


けい子とエンディ・ルイス - あなたの町 恋の町 - 1975