ペガサスの朝~五十嵐浩晃は自分のことを「イガラシは…」と言っていた
それにしても、ミリュコーフとトロツキー、この臨時政府の初代外相とソヴィエト政府の初代外相の二人が、ともに亡命地で、いずれも長大なロシア革命史を書いたという事実はまことに興味深い。両者はともに抜群に頭がよく、尊大で、どこか孤独であった。よく似たこの二人は、ともに自分の革命史でみずからを三人称で登場させた。[…]
illeismというらしくて。自分のことを呼ぶのに三人称を多用すること。
いまのアメリカ大統領が政策を発表するときにこれを使う。「わたしは…」と言わずに「ドナルド・トランプは…」とやる。スターリンもそうだったらしいんだけど詳しく知らない。
日本語は主語が動詞のかたちを決定するという言語じゃないから、ちょっと分けて考える必要はあるのかもしれない。その上でなお例を挙げるとすれば、「ヤザワは…」(永ちゃん)とか「コイズミは…」(キョンキョン)とか、いろいろあろうよ。
彼らほど知られてはいないだろうが、北海道出身の五十嵐浩晃は、80年代にデビューし、TVによく出ていたと思うけれども、やはり「イガラシは…」という言い方をしていて、いつだかNHKアナウンサーが感心していたのを思い出す。もちろん「伊代はまだ16だから」というのもあった。
いろいろあって、なんかしんどい一日だったので、午後遅く、老母とソフトクリームを食べに行った。空を眺めていると、静かに暮らしたいという気持ちが募る。