俺にはブルーズを歌う権利なんかない

どこにも所属を持たず仕事/勉強/読書を続けています。2008年、音楽についてメモ代わりに書くためにこのブログを始めました。

小説の起源と中古マック~大気が不安定でひょうが降った四月某日

  一八世紀のイギリスにおける中産階級の台頭、その生き方に対応するイデオロギーの明確化、そしてそれに応える散文ジャンルの出現━━端的に言えば、小説の成立事情を説明するのに必要とされたのはこれらの組み合わせであり、その組み合わせの巧拙が論の有効性を左右したということである。別の言い方をするならば、小説の成立を論ずるにあたっては、他の文学ジャンルの場合と違って、話をいわゆる文学の枠の中にのみとどめておくことが不可能であったということである。小説の成立は文学の歴史の中でのひとつの事件であると同時に、社会経済史の中のひとつの事件でもあったのであり、この二つのレベルの連動性を体現したという意味では、詩や演劇の比ではない。図式化したい言い方をするならば、詩や演劇がきわめて高い教養をもつエリート層か、それを欠く大衆層を受容者としてもっていたのに対して、一八世紀のイギリスの小説はそのいずれでもない、中途半端な教養しかもちあわせない人々を受容者として選びとる。地位と教養のある人々でも、それらを決定的に欠く人々でもなく、社会経済史のただなかにあって日常生活を生きている人々を選びとる。

 

文化と精読―新しい文学入門

文化と精読―新しい文学入門

 

  メモ代わりに。こんな高度なことが自分の研究にかかわりがあるわけではないよ。ただ、小説の起源についてはいろいろ常套句があるので、こんなものを読み返したりする。むかし大学院時代に教員免許の取得がてら少しかじった知識は、もうだいぶ古いということがわかる。

 大気が不安定な一日で、ひょうが降ったり、雷が鳴ったりしていた。

 なんにもしない一日だった。ただBBCのスコットランドの局を聴いていた。

 冬は終わったのだろう。それでも夕方はストーブをたいている。連休の前に、買い物のたぐいをあらかた済ませておきたかったが、もう二七日だ。

 昨年までの研究とぜんぜん違うテーマを申請しているため、札幌の研究滞在も、少し改めて準備しないといけない。むかし勤務先の図書館を通じて集めて、ずっと寝かせてある英語の資料を、ひととおり読んでからでないと、新たに何を捜したらいいかが明確にならない。

 去年までのテーマも、まだぜんぜんひと区切りついた気はせず、アジュベイ『あの十年』、シーモノフ『われわれの世代の人間の眼で』といった本をきちんと読みたい気がする。なんにせよ、課題は山積したまま、年度だけが替わり、四月も終わろうとしている。

 大学に籍のある人は、いまという月も、いまという時代も、大変なことだろう。ここ六,七年のことは伝聞で耳にするのみで、どなたかが言ったとおり、かつてレジャーランドと揶揄された大学も、きくところではまるで刑務所だ。そういう過酷な場所での仕事が自分に勤まったとはとうてい思えないから、遠く離れた場所にいて、しばし安らいでいられることをよしとしよう。

 パソコンのことを調べるのは楽しい。買えばそれはそれでよいのだろうけど、こうして調べているときの楽しさもなかなか。ただ、踏ん切りはつかないなあ。


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