俺にはブルーズを歌う権利なんかない

どこにも所属を持たず仕事/勉強/読書を続けています。2008年、音楽についてメモ代わりに書くためにこのブログを始めました。

どのマックを買うべきか~パソコンはへき地でこそライフライン

 北海道の風景というのは、よくいえば雄大だが、曇りや雨降りのときには、”どんよりした風景が雄大”だから救いようがない。都会のように天候とは関係なくネオンがきらめいているような場所なら救いがあるが、どこを見ても陰鬱でモノトーンな風景が果てしなく続いていると、そこに身を置いているこっちの気分まで欝々としてくる。予定どおり国道を北へ向かって走る。どこまで行っても灰色の空の下から逃げ出せずイライラしてくる。[…] 

 

 

北海道田舎移住日記 (集英社文庫)

北海道田舎移住日記 (集英社文庫)

 

  北海道移住日記ったって、もともと道産子なんだよな著者は。それでも移住の語があながち大げさじゃないのは、北海道は広いので、北海道でも他の地方出身の人間には、道北のあの茫漠とした空気感はとてつもなく異質に感じられるから。描かれるのはその道北の下川町の暮らしだ。そこからさらに北への自動車旅行。

 北海道の四月は、まだ冬だと思った方がいい。昨日はなんと20度に達したから決して冬の気温とは言えないが、明日はまた4度か5度くらいの、雨と風の日だ。雪もまじるかもしれない。

 へき地暮ら̪しで困ることは多い。前にもちらと書いたが、東京や札幌の(かつての)同業者たちに伍して読書/勉強をしているつもりでも、いつのまにか自分だけとてつもなく小さな世界にいると気づくことがある。たまに札幌へ出ていくと、そのことを痛感する。他人の研究室を訪ねて、テーブルになにげなく置かれている本にショックを受けるということもある。例えば以下の本なんか、みんな読んでるらしいが、ぜんぜん知らずにいた。

 

Russian Pulp: The Detektiv and the Russian Way of Crime

Russian Pulp: The Detektiv and the Russian Way of Crime

 

 あわてて自分も注文して買ったが、ぜんぜん読んでない。

 ロシアの推理小説のたぐいの研究。この分野だと日本でも数名の研究者がいるけれど、 本がなければ研究できない分野だし、さらに言えば、本があるというだけでも研究が成り立たない。このテーマで日本語で書かれた論文を読んでびっくりしていたのがもう何年前のことだろう。

 あと、以下の本はずっと以前骨折で入院しているとき読んだが、きれいに忘れている。読み直したいけれど、もう古いのかもしれない。わからない。

 

Culture of the Future: The Proletkult Movement in Revolutionary Russia (Studies on the History of Society and Culture)

Culture of the Future: The Proletkult Movement in Revolutionary Russia (Studies on the History of Society and Culture)

 

  あと、これは原書を買ったけれど、読まないうち、いつのまにか邦訳が出ていた。

 

〈遊ぶ〉ロシア: 帝政末期の余暇と商業文化

〈遊ぶ〉ロシア: 帝政末期の余暇と商業文化

 

  以下の本も、読まないまんま、すでに二十一世紀も15年以上経つんだから恐ろしい。著者は札幌に一年いたことがあった。

The Genesis of the Brothers Karamazov (Series in Russian Literature and Theory)

The Genesis of the Brothers Karamazov (Series in Russian Literature and Theory)

 

  これはコピーして製本したのか? 今ならスキャンして電子的に処理して、タブレットで読むだろうけれど。

 

Dreams and the Unconscious in Nineteenth-Century Russian Fiction

Dreams and the Unconscious in Nineteenth-Century Russian Fiction

 

 

 

 院生時代、こうして図書館は惑溺の場だったけれど、いくらも読まないまま地方へ行くことになって、ぼくにとっての研究らしい研究は、それきりになったのだった。

 また今年も札幌で本を見せてもらえることになっているけれど、その前に、おととしからこの冬にかけての研究滞在の成果を、まがりなりにも申告しなければならない。かろうじて一点、記入できる成果がある。ほんとは数本の論文になっていないとおかしいのだけれど、大学にも所属していないし、そこがうまくいっていない。気軽に投稿できる研究会誌のようなものにも縁がない。あせっても仕方ないので、いろいろ可能性をさぐろう。

 パソコンは今のところ使えているからいいのだけれど、マックに乗り換えたい気持ちも強い。このエントリーはSurface Pro 3で書いていて、これにも不満はまったくないけれど、これとは別にやはりデスクトップがないと、音楽や写真の管理ができないし、安心できない。今使っているのはNECのデスクトップで、かなり高価だったけれど、そのぶん長く使えるだろう、と思っていた。現に5年使ったけれど、HDDの寿命の話など読むと、そううかうかしていられない。SSD換装のための数万円にあと少し上乗せして、マックという手はあるように思う。へき地でパソコンがなければ、もうそれは本当の孤立だ。

 以下のムックが届く。とりあえず情報収集。

 

マックとウィンドウズ 2017 ~いちばん簡単な「WinからMac」乗り換えマニュアル~ (Mac Fan Special)

マックとウィンドウズ 2017 ~いちばん簡単な「WinからMac」乗り換えマニュアル~ (Mac Fan Special)

 

 


Which Mac Should I buy 2017?