ラズベリー・ドリーム~マキャベリの英語の伝記が出たみたいで
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『君主論』は、書庫に行けば見つかると思う。で、マキャベリの英語の伝記。買ってる余裕はないと思うけれど。
先日書いたとおり、マキャベリにおける「徳」というのは日本語で言うような「人徳」のことではなく、ふりかかってくる運命を主体的に操作する才覚のことを言い、これはいわゆるマキャベリズムの名でふつうに通用している考えだ。悪い意味で使う人も多い。
ちょっと飛躍するかもしれないが、先日、旅先のホテルでコインランドリーを使っている間、ロビーにおいてある日本経済新聞を読んでいたら、「ひとりひとりをおもんばかっていたら指揮官は務まらない」といったことが書かれてあって、アハハと苦笑。大学でも、管理運営にたずさわるような人らは、今はこういう考え方なんだろうなあ。経営学なり現実の企業経営なりのこういう面は、私見ではマキャベリの「徳=ヴィルトゥ」の思想に通ずると思う。
だから、社会思想史は、けっして死んだ学問じゃない。理系の教授が要職についてからリーダーシップ論のビジネス書なんか読んでいるのを見たことがあるが、まあそういう立場になってから急に『君主論』なんか読んでる余裕はないわな。若いうちに、文系も理系も、こういうところにまでさかのぼって勉強しておくといいんじゃないか。
なんでもいいけど、この時期に知っている先生の最終講義に行くと、人事の動静がいやでも耳に入ってくる。かつてはぼく自身が、大学に赴任が決まったことを本州の恩師に報告に行く立場だった。なんでもいい、みんな元気でいてくれよな。また遊ぼうな。