負けないで
南サハリンは、日ロ戦争の後の一九〇五年の日ロ講和条約によって日本がロシアから割譲され、その後、サンフランシスコ平和条約によって放棄した地域である。しかし、サンフランシスコ平和条約では日本が放棄した南サハリンの帰属先は記されておらず、ソ連邦もこの条約に署名していなかったことから、国際条約上は南サハリンの帰属先は未定ということになっていた。冷戦時代、特にサハリンが外国人立ち入り禁止区域であった間は、日本政府はサハリンに対するソ連の法的な領有の認知につながりかねないことはしないという方針をとってきた。
メモ代わりに。
いったんは日露混住の地とされたサハリン島に徒刑囚を送り込み、そこを陸の帝国としての自国の最新のフロンティアにしたロシア、千島樺太交換条約で全島を領土とし、日露戦争後は南半分が日本領となったものの…という話を聞いて帰ってきた。国際法上は今も帰属先が未定という、そのことを思い出し、引いておく。
あとこれの訳者と話し込む。上演用の台本など見せてもらった。版元が倒産したが、新社のほうから出し直しが出た話とか。
ブルガーコフ戯曲集〈1〉ゾーヤ・ペーリツのアパート 赤紫の島 (日露演劇会議叢書)
- 作者: ミハイルブルガーコフ,村田真一,秋月準也,大森雅子
- 出版社/メーカー: 東洋書店新社
- 発売日: 2017/02
- メディア: 単行本
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- 作者: ミハイルブルガーコフ,秋月準也,大森雅子
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サヴィンコフも、午前中の会で言及されていて、びっくり。あとで宴席で大先生たちに、これを専門にやる人は今いるか聞いたら、「あれはぼくらの世代にとっては○○だけど、今は…」と苦笑い。
いろいろ勉強になったが、たまにかつての同業者の中にいて思うのは、楽をしている人は本当に本当にひとりもいないということ。みな苦労しながら勉強を続けているので、多少のことで負けていてはダメだ、ということになるか。坂井泉水が歌って遺してくれた、負けないで、という言葉を、今日は、ひねくれ者の自分には珍しく、字義通りに受け取っておこう。