政治経済学という単位も昔取ったけど、あれはなんで「政治」経済学だったのかということについて
economy 3 b(1): the natural ordering or system of operation of the processses of anabolism and catabolism in living bodies
<the economy of the cell>
(2): the body of an animal or plant as an organized whole
もうこのあたりはっきり憶えていないのだが、economy 「経済」の原義について。
economyの語源がギリシャ語のoikos「イエ」とnomos「やりくり」であることはまあ常識。それを日本語に訳すにあたって「経世済民」の四字熟語を二字に切り詰めた「経済」という和製漢語がつくられて、中国語にも逆輸出されたのも周知のとおり。このあたりは大学一年で習ったか、あるいは高校三年あたりから知っていたかもしれない。
ぼくが驚いたのは、economyが上掲のような生物のからだを指すこと。3b(1)のような生体の「同化」や「異化」のプロセスをeconomyと呼ぶというのは、派生的な語義なのかもしれない。しかし、むかし「経済学」economicsという言葉の誕生以前に、国の財や資源のやりくりを研究する意味で[政治経済」political economyという語が使われていたのは、まさに上記のような生物体のeconomyではなく一国のeconomyのことなんだ、とことさらに区別する意味があった…と習ったはずなんだが、それがなんの本に書いてあったのかが、今となっては捜しきれないんだよ。
大学二年で履修した政治経済学は、要するにマルクス経済学の原論だった。けれど、それが当時はなぜなのかわからなかった。「政治」とつくのは政治的立場の明確なマル経が教えられていたからなのかと思ったのは早計で、ケネーやアダム・スミス、ミル、リカードといった経済学者たちのやっていたことがeconomicsではなくpolitical economyだったからで、それを集大成し完成させたのがマルクスだった、ということにすぎないんだろう。
…とかえらそーになにも見ないで書いているけど、なにせ内田義彦先生の経済学史をはるか昔に売り払ってしまって、それを買い直そうと思ったときあんがい簡単に買いなおせなかった。でもって、政治経済とは要するに古典派経済学のことで、労働価値説の経済学のことなんだろうという理解のまんま今日まで来ている。
political economy ▶《dated》economics as a branch of knowledge or academic discipline:
♦Early American writers on political economy racted negatively to Ricardo's theory of rent.
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というかリーダーズを引いたら「政治経済学;《19世紀の》経済学」とあって、これで安心しておこう。もう昔のことだけれど、むしょうに懐かしい。あの当時、語学さえできたらなあ。
やっぱりあれは大塚久雄の何かだったかなあ。以下の本はとても面白いけど、このことは特に書いてないみたいだ。
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