キラキラ星あげる~crustaceanは「エビカニ類」、impasseは「袋小路」
上智の英文科のいくつかのクラスでノーマン・ルイスのこの本を使ったところ、おもしろい結果が出た。私のクラスにいた学生が出身県の留学生として留学した。その県から四、五人留学させてもらったらしいが、向こうの大学に入った途端、ヴォキャブラリー・テストがあり、いっしょに行った人たちはみんな落ちた。上智より入試が難しい大学から行った人も落ちた。そして、留学期間の一年間、正規の大学の授業でなく語学校に入れられた。ところが、上智の彼だけはヴォキャブラリー・ビルディングをやっていたから、英文科に入れてもらって単位をいくつか取って帰ってきた。現在、彼は六大学の一つで教授を務めている。
Word Power Made Easy: The Complete Handbook for Building a Superior Vocabulary
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めらめらと燃えてきますなあ、こういうのを読むと。
本を読むのが目的で語学をやっているから、本を読むことを優先したいが、外国語の本を長く読み続けるためにも、語彙の増強はやったほうがいいとおもいつつ、もう二月の下旬へと突入する。
今日は完全に一週遅れで『ジャパン・タイムズ』日曜版の先週の号をやっつけていたが、半日潰して八ページくらいかなあ。知らない単語は今に至るもやはり多い。英米人が書いている記事など読んでいると、crustacean エビ、カニなどの甲殻類、といった語が普通に出てくるので、この人らは教育のいつかの段階で、こういう語を読み書きする段階というのがあり、その知識を読者と共有しているのを前提で記事の中でも使っているのだと感じられる。
こういう語がおびたたしくあるのだから、たとえ国内の難しい大学の入試に受かる者らでも、英語圏の大学教育を受ける者の中に位置づけられてしまうと、英語力はそんなに高位に行くはずがない。
もう十数年前、まだ大学のせんせ―だったころ、たまの土曜に、以下の本をかばんに入れて、コーヒー屋さんに行った。そして二時間ぐらいはそれを読むつもりだった。しかし、いきなりimpasseなどという未知の語が出てきて、意気阻喪し、一五分くらいで店を出てしまった。袋小路、という意味。
当時ぼくの置かれた状況自体が、ひとつのimpasseだったことに思い当たる。そこから這い出すためにこそ、語彙の増強は必要だったりするのだ。
この本は研究費で買った本で、返しちまった、というのはいつか書いたかもしれない。今なら読めるかもと思いつつ、これを購う数千円が出せない。
寒い日曜、しかし日差しは強い。次の暖気はいつか。昨日、ラジオで流れていたこれ。コメットさんがお嫁さんに来るなら、つらい宮仕えも耐えられたかも、というのは錯覚だろうな。ともあれ、一歩ずつ冬が終わってゆく
。