俺にはブルーズを歌う権利なんかない

どこにも所属を持たず仕事/勉強/読書を続けています。2008年、音楽についてメモ代わりに書くためにこのブログを始めました。

Keynes v Hayek~北の空に流れ星を見た真冬すぎの夕方

Automation, not trade, is the real culprit in manufacturing job loss. And while NAFTA has surely created winners and losers within the United States, overall it has not been the horrific deal Trump suggests. The combined trade deficits with Mexico and Canada was $73.4 billino in 2015. Subtract petroleum and it shrinks to $13.9 billion, a round error for the $18 trillion U.S. ecomomy. Chances are that the deficit will shrink as American oil producers crank up for exports.

'Japan Times On Sunday' February 5, 2017.

 アメリカの製造業で職を失う人が多く出たのは、貿易ではなくオートメ―ションが真の原因で、貿易協定じたいは、トランプが言うほどひどいもんじゃない、という、そんな論説。英字新聞を読みたいのは、一にも二にも論説が読みたいからで、こういうのを読むと安心する。

 一点だけ文法を講釈するとすれば、Subtract petroleumの部分。これは命令文だ。論説文の中にこういう命令文がさしはさまれることはよくあって、とくに高飛車に何かを命じているわけじゃなく、「原油を差し引いてごらんよ=原油のぶんを差し引くとするならば~」というほどの意味。2015年のメキシコおよびカナダとの貿易赤字はあわせて734億ドルだが、原油のぶんを引いてごらんよ、この額はたったの139億ドルになり、18兆ドルのアメリカ経済全体からすれば誤差みたいなもんだ、となる。最初に行った大学で、この手の命令文に引っかかり、先生にかみなりを落とされたことがあった。だから人一倍敏感になった。

 We will make America great again.というのも、昨年からさんざん報じられた文句だけれど、これを耳にしていつも思うのは、ああこれ第5文型ね、ということで、中学の二年か三年で習う典型的なSVOCなのだ。greatはAmericaとイコールの関係になるので、目的語じゃない、補語だ。長年、中学生高校生相手に英語を教えた後遺症。

 西日本は大雪のニュースだが、こちらは気温が零度を越えて、ようやく冬の終わりの始まりの始まりくらいが見えた感じ。窓を開け、雪の裏庭を眺め、空気を入れ替える。あと、買い物に出て、流星を見た。ほんの一瞬、夕空を落ちていった、一本の光の線。何かを祈るいとまもなかったが。おでんを買って帰る。


Keynes v Hayek