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俺にはブルーズを歌う権利なんかない

どこにも所属を持たず仕事/勉強/読書を続けています。2008年、音楽についてメモ代わりに書くためにこのブログを始めました。

別れのサンバ~紙でやり取りすればサイバー攻撃は防げるという考え方

U.S.President Donald Trump has attracted ridicule for his solution to computer hacking: Write stuff down and send it by courier. Actually, given what we saw in 2016, that might not be such a bad idea.

’Japan Times On Sunday' January 22, 2017.

 一月が終わりに近づきつつあることにほっとしつつ、また『ジャパン・タイムズ』日曜版、一週遅れにならぬよう、せっせと読んでいる。

 最初に大学に入ったときの政治学の講義がとても面白く、いろんなことを学んだけれど、その一つが、アメリカでは大統領が変わるたびにお役人も総入れ替えになる、ということだった。その点は、官僚(事務方)が実務をやるので総理大臣が変わっても世の中そんなに変わらない、というわが国とは大違いだ、ということはわかっていた。

 上の一節は、サイバー攻撃のことを、何なんだ、紙に書いて使いの者に持たせればいいだけの話じゃないか、と一蹴するトランプの思い付きを「案外悪くない」とするもので、これは本当にその通りかもしれない。

 宮仕えしていたころのことはだいぶ忘れてしまった自分だが、ちっぽけな田舎のキャンパスにもつまらない路線対立があり、大げさに言えば〈機微に触れる〉電子メールのやり取りの末尾に、このメールはすぐ削除してください、と付け加わっていることがたまにあって、今思い出すとなんだかおかしい。まさかとは思うが、盗聴の噂まであった。

 そういえば、フィリピンで終戦を知らずにジャングル生活を続けた小野田寛郎元少尉は、軍の情報学校時代、ノートをとらないように言い渡された、と書いていなかったろうか。たしか中村獅童主演でTVドラマになったとき、教官役の片岡鶴太郎が「小野田、覚え書きはとるな」と言ったのを見た記憶がある。それを言えばゴルゴ13もあらゆることを頭に記憶しているという設定なのだし、なまじ記録を残すから、それを盗まれるということも可能になる。

 ただ、これをつきつめれば、自分の本心を腹心の部下にも明かさなかったスターリンに行きつく。読心術が科学的に確立される可能性は乏しいから、情報セキュリティとしてはこれは完璧だ。しかしそれは民主主義とは全く相いれない。情報セキュリティをたもちつつ、集団で仕事をするには、機密性の高いやり取りは紙でやるというのは、あんがい妙案かもしれない。上の記事のまとめの部分はこうなっている。

As long as digital information exists on computers, hackers try to steal it. A courier can be intercepted, but one messenger is unlikely to release a decade's worth of emails, much less allow access to the contents of other people's inboxes as well. Sometimes the rejection of technology is prudent. If only Trump applied that to twitter, too.

 テクノロジーをあえて使わない思慮もときには必要、トランプがツイッターにもこの考えを適用してくれりゃあいいものを…と、最後にちゃんと落ちのついた、なかなか面白い論説だった。

 インターネットのラジオは素晴らしい。ふだんはトーク局ばかり聴いているが、早口のロシア語のステーションばかり聴いていると、さすがに疲れてきた。で、ぼくが去年買ったこのラジオは、ネット上で放送局を追加したり削除したりできるのだ。すると、ラジオのほうでちゃんとその放送局が聴ける。技術的にはちょっとうまく説明できないが、これはべんりだ。

 で、ブラジルのラジオ局を聴けるようにして、かけっぱなし。サンバやボッサ、聴き放題。そういや、いつかの冬の終わり、ブラジル音楽の4枚組CDを買ったことをここに書いたことがあったっけ。あの時の気分を少し思い出した。無理は禁物、ゆっくりゆっくり。あと数日で二月がやってきて、日が長くなったなあ…としみじみしているうちに、じきに春になる。 

 ↓これを貼っておく。ブラジル音楽のみごとな日本的換骨奪胎。


長谷川きよし - 「別れのサンバ」2012

 

 

たった一人の30年戦争

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