俺にはブルーズを歌う権利なんかない

どこにも所属を持たず仕事/勉強/読書を続けています。2008年、音楽についてメモ代わりに書くためにこのブログを始めました。

陽当たり良好~早起きしたけれど、なんとなく終わってしまった冬の日曜

It must be a Britain that encourages free trade at a time when its benefits have been called into doubt, not least by the incoming president of the United States. Critics might ask how Leavers can be genuine free traders while simultaneously arguing for leaving the EU - an observation that misunderstands the nature of the EU. It is not a free trade zone so much as a sclerotic protection bloc. Outside of it Britain will be free to negotiate, with relative speed, profitable new deals with the rest of the world.

'Japan Times On Sunday', January 15, 2017.

 イギリス人の本音も、日本にいて聞く機会などそうなくて、上の一節は勉強になるなあ。EUって、自由貿易圏じゃないんだぜ、あれはガチガチの保護ブロックなんだぜ、という、そんな主張。その外に出れば、もっと自由に他の国と取引ができる、という、離脱派の主張はよくわかった。となると、アメリカの新大統領の保護主義と同列に英国のEU離脱を論ずることはできない、ということになるけれど。アメリカのTPP離脱やNAFTA見直しは、だいぶ意味合いが違うように思うが。

 シリアに関する論説も引いておこう。ロシア、トルコ、イランの音頭取りによる停戦が成って、アメリカのプレゼンスが低下したという記事だけれど、

Whether this decline is temporary or permanent remains to be seen. What is abundantly clear is that, having decided not to intervene to stop the worst humanitarian catastrophe since World War  II, U.S. President Barack Obama lacked both the leverage and the standing to be part of a solution.

 とオバマの中東外交のまずさを短くまとめている。

 …と、一週遅れで、先週の今日の『ジャパン・タイムズ』日曜版を読んでいた。

 札幌行きのとき、帰りの日に、明け方に鳴るようセットしておいたiPod Touchのアラームを解除してない。今朝も鳴ったので、起きて勉強/しごとをしていた。そのあと上記の新聞をやっつけにかかったけれど、眠気が来て、布団へ。NHK第一をつけっぱなしにしてうとうとした。去年、おととし、冬はずっと未明・明け方に起きて勉強していたから、今年も三月くらいまではまたそうしてもよいと思った。ラジオで聴く『日曜討論』、内容はおぼえていないが、聴きながら寝ていると、冬だなあ…と実感がある。『歌の日曜散歩』では、バド・パウエルが流れ、雪どけになったらまたステレオで鳴らそうと思った(今朝は起きてすぐセロニアス・モンクのLPを聴いていた)。

 それから起きて、TVでN川史子が出ているのを見て、なんとなく安心する。別にファンだというわけじゃないけれど、この人の根性きつそうな顔立ちを見るのが妙に好きだったりする。誰かよく似た人がいただろうか。

 朝食兼昼食をささっと食べて、テレビラジオ番組欄を見たら、『トーキング・ウィズ・松尾堂』が「小松左京を語る」というテーマで、部屋に戻って聴く。漫画家のとり・みきさんという方がヤマザキマリさんとやっているバンドの曲がとてもかっこよい。ブラジル風なんだろうけど、それだけでもない、明るい音楽性がある。まだ冬だけど、ぐぐっと春が近づくのを感じた。

 小松左京というと、ぼくも全作品というほどではないが読んだ。秘書・マネージャーさんだった女性が語る小松先生はまた魅力的。銀座のバーをはしごしながら、「パリの空の下」をくちずさむと、小松御大がフランス語の歌詞でそれに合わせる、といった話。御大、京大のイタリア文学専攻卒だから、フランス語も知らないはずがないわなあ。

 あとやっぱり、『日曜喫茶室』などの過去の音源が紹介されて、とても興味深かった。小松御大は、関西の生れながら、ご両親は関東の人で、関東弁も関西弁もどちらもしゃべった、というのがわかって面白い。関西弁のときのリズム感が、なんとも小気味よい。

 晩は湯豆腐。こんなにおいしいお豆腐もしばらく食べたことなかったというぐらいおいしかった。

 今夜は雪、明日も地方によっては荒れるが、その代わり冷え込みはいったんおやすみ。あと一回日曜が来たら、長い一月も去ってゆく。年が改まって、いつも日記に必ず書く日付の年号にも慣れたけど、それにしても2017年。


「陽あたり良好(浅倉亜季)」を歌ってみた