天使のらくがき~読書会/研究会は自由の敵になりうるので注意ということについて
shenanigans n. [plural] 《INFORMAL》 1 bad behavior that is not very serious; MISCHIEF 2 slightly dishonest activities
LONGMAN ADVANCED AMERICAN DIC (PAPER) (LAAD)
- 作者: Longman
- 出版社/メーカー: Pearson Japan
- 発売日: 2000/10/12
- メディア: ペーパーバック
- この商品を含むブログを見る
あくまで複数名詞として立項されているが、さっきCNNでやっていたニュースではsがつかない形で出てきた。台湾の総統がアメリカ次期大統領と電話会談をしたことを指して、中国政府がこう呼んだのだ。リーダーズでは「ごまかし、ずるい手、ペテン」とあり、複数形だと「ごまかし(の行為)、わるさ、いたずら、からかい」となっているが、どうもピンと来ず、ジーニアスを引いて「偽り;ごまかし、裏をかくこと」とあるのを見て、ああ、裏をかく、か、と腑に落ちる。もっと大きな辞典だとどうなっているか、あとで見ておく。たしか、英字新聞だったか、雑誌だったか、読む訓練の途上で、一回引いた記憶がある。
そういえば、先週、スカイプを初体験した。あれで読書会のたぐいをやっている人らがいるらしいというので、急に好奇心が募り、後輩に連絡を取り、一回雑談につきあってもらった。お休みの午後を使わせてしまって申し訳なかったが、おかげでだいぶ好奇心が満たされた気はする。たしかに、あれで読書会・研究会、できるだろう。
ただ、いつも書いている気はするが、会を立ち上げること自体が自己目的化してしまっては本末転倒だ。職場や学校で、人望のない人がそういうことを言い出すと、周囲はたいへんに困る。ただでさえ大事な時間と労力と神経を、誰かのそんなケチな野心のために進んで捧げようという者など、いるわけがない。
またこれは、大学院などの授業そのものの話になるが、ずっと昔、一部の有名大学では、語学のゼミなどを、90分の時間割の枠に縛られずに、延々何時間もやるのだ、と聞いたことがあって、一瞬うらやましかった。ただ、それを実際に体験した先生から、一日の予定は滅茶苦茶にされるし、時間をかける割に効果があるかどうかはわからないし、あんなひどいものはない、とも聞いた。夜中、下宿に先輩から電話がかかってきて、これから○○の講読をやるから出て来い、といったこともしょっちゅうあって、ろくに寝ていられなかった、とも聞いた気がする。その反動か、その先生は、自分の授業では、学生の意思を無視したいたずらな時間延長は決してせず、90分の中での合理的な訓練を行う、とシラバスなどでうたっていた。
同学の士が集まってワイワイやる、というのなら、不定期でよい。読むべき本が共通課題として浮かび上がれば、そのとき集まればよく、課題が解消すれば止めてよい。あるいは単なる雑談なら、お茶会や飲み会だってよいだろう。スカイプしながらお茶やビールを飲んで悪いという法律もなかろうし(ぼくは酒は飲まないが、ノンアル飲料はいける口だ)。そして、興が乗れば、脱線、延長、いくらでもあってよい。
そうでなく、学生なり、後輩なり、部下なりを巻き込んで、その大事な時間を奪うような形で何かを企画するのはよくない。これは他でもない、自分への戒めだ。益のない「ねばならぬ」を作り出して周囲に撒き散らす、そういう人にならぬように。
いくつか、続かなかった読書会のたぐい、思い出す。
さっき、BSの演芸番組で、ナポレオンズがヘルメットをかぶって頭をぐるぐるさせる芸をやっていて、お客さんは、またか…という反応ではなく、逆にワーッと歓声を上げて大喜びしていた。ああいうのはいいなあと思う。
天使のらくがき/ダニエル・ビダル Aime Ceux Qui T'aiment/Danièle Vidal