俺にはブルーズを歌う権利なんかない

どこにも所属を持たず仕事/勉強/読書を続けています。2008年、音楽についてメモ代わりに書くためにこのブログを始めました。

日曜日はストレンジャー~やっぱりしっかりした新聞雑誌を購読すべきだ

Trump's rhetoric of great walls, trade wars and crackdowwns on outsiders make him a textbook nationalist in a year when nationalism is surging around the world. From Putin's Russia to the France of Marine Le Pen, from anti-immigrant marches in Germany to the U.K.'s Brexit surprise, from defiant Turkey to nostalgic Japan, influential leaders are stoking powerful movements of us-against-them.

('TIME' OCTOBER 24, 2016. "The fight for the meaning of America" by David von Drehele)

  こちらはとっくに冬で、先日の大雪が溶けずに残り、それでも今日なんかは暖かい方なのか、夕方買い物に出たら、プラスの2,3度くらいで、すこし安堵しているのだが、もちろん冬はこれからが本番だ。

 先月の中旬に来た英語週刊誌はアメリカ大統領選の争点というか争点となるべきイシューを網羅した特集がとにかく読みごたえがあり、もう大統領選の結果が出たから読まずにおこうかと思ったが、読んだら引き込まれて、だいたい読んでしまった。

 対立の構図をあおる、というのはよく言われることだが、上の一節は世界中で排外的で内向きな政治の傾向が強まっていることを述べたもので、日本のことも出てきて、なるほど世界的な文脈ではこう見えもするわなあ、と思いつつ読む。

 むろん大統領選、しょせんアメリカの内政のことではある。しかし我々は皆、アメリカが強く関与する国際秩序の住人なので、こっちの暮らし心地まで激変するような気がするのは、あながち錯覚でもないのではないか。上に名前の挙がっている諸国が、示し合わせるようにして隣人への許容度のせばめ合いを始める世界は、やはりひどく暮らしづらい気はするのだが。

 いやほんと、こんな心配など、田舎者の床屋政談のレベルで終わってくれればいいんだけどね。ちなみにメキシコ国境から不法入国するのはラティーノに限らず、中国人、ロシア人もいるというのが驚きだ。

Are you upset about this election? Are you upset about the direction of this society? Then fix it. You're a reader. You know what reading does for your ability to think things through. Get out there and make this your No.1 priority. Got a kid? Make her read 20 minutes a day. Got a neighbor who stares at his phone all day? Get him a good book. Volunteer at the library. Volunteer at a school. At the very least, subscribe to a newspaper or magazine that supports long-form journalism and stop reading stuff for free through your screen.

(" The Literacy of Long-Term Thinking" by James Patterson)

 こういうところに、読みごたえを感ずる。本を読め、ネットで済ませず、ちゃんとした新聞や雑誌を定期購読しろ、という、読書のすすめ。これが民主主義の基礎だ、ということなんだろう。先日引いたように、その肝心の新聞雑誌が、いま苦境にあるのだけれど。

 アメリカ本国人のことではなく文脈がちがうので比べるのもおかしいが、さる英語学習本で、今どき紙の英字新聞はたまるばかりで無駄、ネットで済ませなさい、とさる有名人が書いていた。が、上の議論と比べると、やはりどうしたってうすっぺらに見える。at the very least 最低でも、せめて、という線がここなのだ。

 

新聞消滅大国アメリカ (幻冬舎新書)

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石野真子 日曜日はストレンジャー (2016年5月)