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俺にはブルーズを歌う権利なんかない

どこにも所属を持たず仕事/勉強/読書を続けています。2008年、音楽についてメモ代わりに書くためにこのブログを始めました。

ピアノ協奏曲第二番

ロシアなどは、領土が広く軍勢の大量なことは、もちろん世界一ですが、文化や政治の面では、ほかの三国にずっと劣っている。それは、圧制がいまだにわざわいの尾をひいているため、と言わねばなりません。

 

三酔人経綸問答 (岩波文庫)

三酔人経綸問答 (岩波文庫)

 

  「ほかの三国」とは英独仏。イギリスのマグナ・カルタ、フランスの1789年の革命、ナポレオン遠征によってドイツにもたらされた自由の気風といったものを列挙して、一方ロシアでは…という論法。おぼえておこう。

  自由の気風において一段劣った国の文物をなぜ研究するか。そのような後進国にも知識人がいて、自由の気風を自分たちなりに移入しようとする試みが、連綿と続いてきた歴史があるからだ。後進国知識人論としてのロシア文学研究、20年まえどこかで、そんな議論をしたことをはっきり覚えている。

 先進国のシステムを取り入れるために外国語を学ぶというなら話は簡単なのだ。〈西〉になれなかった国もまた西欧とは無縁ではいられず、それらに伍していかなければならない時、どういう人がどんなことを考えるのか。それを知りたいからこそいまだにロシア語など読んでいるのだ。

 先日の学会で、大賞を受賞した大先生が、記念講演で言っていたことだが、1960年代末には、高校などでは理系の生徒に、大学へ進学したらロシア語を取るといいよ、と推奨する機運があったという。ソ連は科学の先進国だったから。やけに新鮮な気がした。そうか、そういう時代もあったのか、と。

 今日もいよいよ季節が冬らしくなり、晴れてはいたが、寒さがひとしお身に沁みる。ファンヒーターの低い燃焼音。単語集をひたすら声に出して読み上げ、ニュースサイトをむさぼり読み、自主的な語学徒の冬学期の二か月目。辞書を通読する、という境地にはまだ至らず、そうなる日が待ち遠しい。ダーリの四巻本など、書庫から持ってきてある。


Rachmaninoff: Piano Concerto no.2 op.18 - Anna Fedorova - Complete Live Concert - HD