俺にはブルーズを歌う権利なんかない

どこにも所属を持たず仕事/勉強/読書を続けています。2008年、音楽についてメモ代わりに書くためにこのブログを始めました。

ミニスカート気分~自主的な語学徒の冬学期

当初、銀の時代という概念は詩の発展のある段階だけを指し、プーシキン時代を指す金の時代と対置されていた。しかしのちには、芸術、文化、さらには経済活動といったさまざまな分野での革新的な創造のかつてない開花とむすびついたあらゆる現象をそう呼ぶようになった。この時代は十九世紀の最後の十年(その始まりはしばしば1891年から92年の大飢饉の期間に社会的・政治的活発さが増したことと結びつけられる)から1914年の第一次世界大戦の始まりまで続いた。ある面では、ソ連政権初期の、およそ1925年ごろまでの実験的な気風は、銀の時代のダイレクトな続きであった。[…]

 

Russia Abroad: A Cultural History of the Russian Emigration, 1919-1939

Russia Abroad: A Cultural History of the Russian Emigration, 1919-1939

 

  原著は英語なのだな。手元にあるのは、21年前のモスクワのどこかで買ったロシア語訳。亡命文学など専門ではないが、あくまで、自分の読書力を測定するためにパラパラ読んでいる。

 十九世紀末から二十世紀初めのロシア文化を指す〈銀の時代〉。この辺に興味がある、というと、やはり、「ご専門と違うのでは?」と怪訝な顔をされることがあるのは仕方ないが、ソ連時代のことをやろうとしても、何かの拍子にこの辺までさかのぼってしまう、ということがある。大学院の恩師は、現代のことをやろうとすれば十九世紀がわからなければだめで、十九世紀を分かろうとすれば十八世紀がわからなければだめで、結局中世までさかのぼってしまう、と言っていた。たしか同じようなことは小阪修平氏も言っていたと思う。社会主義を研究しようとしていたら、古代史にまでさかのぼってしまったとか、たしかそんなこと。

  ともあれ、九〇年代の中ごろに読んでいなければならなかったはずの本で、そのころは、ただただ焦るばかりで、何も読めなかった。あれからはや二〇年なんて、呆然とするばかりだ。

 これをタネ本にしている人は多いのだろうか。プラハ、リガ、パリ、ベルリン、ハルビン…といった都市の亡命ロシア人文化のことがわかる。二〇年まえにこれを読んでいれば、きっとまたプラハに行っただろう。で、同じタイトルの以下の本は、何が書いてあるのだろうか。持っていないが。これは読んでみたい。

 

Russia Abroad: Prague and the Russian Diaspora, 1918?1938

Russia Abroad: Prague and the Russian Diaspora, 1918?1938

 

 

 

Russia Abroad: Prague and the Russian Diaspora, 1918?1938

Russia Abroad: Prague and the Russian Diaspora, 1918?1938

 

 

 

 買い物に出たら、夕方は寒かった。プラスの一℃くらいか。ストーブの調子悪く、ファンヒーターを思い切って注文。痛い出費だが、暖房なしでなどいられない。

 また夏に憧れながら暮らす。↓は、アナログ盤で持っているが、やはり夏が舞台だろう。プロポーズされた日を、いつか懐かしく思い出すだろうという、そんな歌。誰かが結婚した時、そのプロポーズにまつわる逸話を、尾ひれをつけてうんと言いふらす、ということがあったが、むろんあれはご祝儀の一種で、悪意はない。


ミニスカート気分 ジューシィ・フルーツ