俺にはブルーズを歌う権利なんかない

どこにも所属を持たず仕事/勉強/読書を続けています。2008年、音楽についてメモ代わりに書くためにこのブログを始めました。

夜霧のしのびあい

 以前、フジテレビの番組で僕の隣に座っていた人が、TOEICで二十何回満点をとったというマニアの人でした。そういう方は、それが英語力だと思ってしまうんですね。

 

 

  TOEICについては、英語のできる知識人はだいたいあまりよく言わない。かく言うぼくも、そうした人々のTOEIC批判・揶揄の尻馬に乗ってインテリぶっていた。

 ただ、ある人から噛みつかれて、虚心に自分を振り返り、わからなくなってしまった。結果的に、とにかく自分でそのTOEICなるものを受けてみよう、と思った。

 といって、大した数を受けたわけじゃない。7回受けた。4,5回目で満点行くんじゃないか、とたかをくくっていたが、甘かった。満点は一度もとれない。

 たしかに、TOEIC満点を何回も、というのは、広い意味での英語力の涵養、と言うところから少しずれている気はする。が、それもまた英語学習のひとつのありかた、少なくとも本格英語への入り口にはなると認めてあげたほうが、生産的な議論になると思う。TOEICの問題集だけやっているのでは連続満点というのはたぶん無理で、そういう人らは、英文紙誌を精読するといった、もう少し広いことをやっているだろう。ぼくも一度、問題集をやっていたらvicinity(近く)などという名詞が出てきて、へえと思った。こんな名詞、その前に見たのはたしかディケンズを読んでいるときだったよ。

 ちなみに茂木氏だって検定試験完全否定派ではないらしく、学生時代に英検一級、国連英検特A級は取ったという。こうして言葉で抜き書きすると少しとげがあるが、これもインタビューをライターさんが書き起こした本だろう。あのもじゃもじゃ頭の茂木氏がドヨ~ンとした表情で好き放題にしゃべっていると思うと、何となく笑いがこみあげてきて…何となくムーンライダース鈴木慶一さんに似てません? 昨日からへんに明るい気分。


サムテイラー(SAM TAYLOR)/夜霧のしのび逢いLA PLAYA