T Bone Blues
僕は高校一年のときに英語の原書を読み始めて、高校3年間で数十冊読んだと思います。明らかに高校英語の範囲は越えていて、わからない単語がたくさんある。全部辞書を引いていると時間が無くなってしまうから、「習うより慣れろ」しかなかった。とにかく、いきなりハードルの高いものを自分に課すという、ちょっと無茶なことをしました。
数時間で読み切れ、タイトルの割には常識的なことしか書かれていないじゃないか、といった見方もできようが、これはあんがい嫌味なく読めて、読後しばらく、気分が明るい。
著者の業績は存じ上げないし、脳科学と言うのが厳密にどんな学問なのか、正直あまり興味を持ったこともない。だからというか「脳の何とか野が…」といった部分は、ぼくにはそれほど面白くはなかった。むしろ、著者が自分の体験や雑学を披露している部分が面白く読めた。
高校一年から原書を読み始め…といった話は、他でもよくお目にかかるが、恐れ入る必要はない。もしこれを読んで興味を持った人がいたら、ネット通販なり書店なりで、さっそく一冊(と言わず、思い切って二、三冊)洋書を買い求めてみるといいと思う。
ただし、皆が皆、茂木さんのような「無茶」から始める必要もないだろう。南雲堂などの英和対訳式の本でもよいし、単語数に制限をかけたやさしい本でも、決して悪いことはない。大学や市の図書館にそういうものが揃えてある場合もある。どんどん利用すべし。
そして、読み切れればよし、読み切れなくても、どこまで読んだかをきっちり記録しておくといいと思う。とにかく「そこまで読んだ」という体験を、大切に大切にかみしめよう。また意欲が湧いたら、そこから再開だ。
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実は今日、小学校の恩師を訪ねて帰ってきたところ。数年前にも一度お会いしているので、長居せず帰ってきたけれど、訪ねていったら、以下の話をしようと思っていた。
小学校だから、当時、もちろん英語の授業なんてなかった。しかしある時、その先生が、こんな話をしてくれた。
《札幌の(旭川だったかもしれない)本屋に入って本を見ていると、中学生ぐらいの男子が店に入ってきて、洋書を引き抜いて、中身を見始めた。それも、すらすら読んでいるんだ。都会にはあんな中学生がいるんだね。先生、びっくりしたなあ》。たしかそんな話。
それを聞いたときの、身体に電撃が走るような、強い憧れ。言っとくが、この先生も、大学を出たての、ハンサムでいかにも頭の切れるタイプの人だった。その先生にさえ、手の届かない世界があるらしい。二重にびっくりだった。
これをずっと憶えていた。片時も忘れたことがない。大学二年で教養課程を終える時も、これで英語とおさらば…などとは考えたことがなかった。必要性とか、国際語だからとかじゃない、憧れ。
先生は専攻は物理で、たしか数学についても、似た話は聞いたんだよ。でも、そっちは忘れていた。文学とか、音楽とかに染まっちまって。高校のときは、↓こんなの聴いてた。
つづきは明日。
T-Bone Walker - T-Bone Blues (1960)
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