俺にはブルーズを歌う権利なんかない

どこにも所属を持たず仕事/勉強/読書を続けています。2008年、音楽についてメモ代わりに書くためにこのブログを始めました。

deja vuが逃げる頃

 システムのあちこちに故障や部品の劣化が発見されて「ここ壊れたよ!」という声が上がったときに、「はいはい、おじさんが修理しておきますからね」と、さくさくと手当てをしてくれる人が一定数必要です。全員が「おい、ここ壊れているぞ。早く何とかしろよ!」と怒鳴っているだけでは、システムはいずれ瓦解します。誰かが「はいはい」と修繕に当たらないといけない。

 システムの保全が「自分の仕事」だと思う人がいないと、システムは瓦解します。[…]

 

街場の共同体論

街場の共同体論

 

  これは本当にそうで、ぼくのいた所では、全員が労力の持ち出しをいとわないセクションは比較的雰囲気も明るく、パフォーマンスもよかった。

 内田氏によれば「システムの保全」は基本的にボランティアで、組織図や命令系統があるわけではない。道に空き缶が落ちていれば拾うように、それをいとわずにやるのが「おとな」ということになる。

 ただ、ぼくは不用意に「おとな」という語の用法に同意することはしたくない。この論理を逆手にとって、自分の職責を狭くとりつつ仕事を下に丸投げする狡知に長けた「おとな」が人の上に立つこともままあって、そういうときは往々にして説明不足のまま仕事が降ってくる、という異常事態が連続し、現場の士気もひどく低下する。これでは、例の「言われなくてもお前の仕事」という論理と、ほとんど見分けがつかない。

 ぼくはもう組織に属してはいないから、これ以上突っ込んで考えても仕方ないが、拾っておく。


deja vuが逃げる頃 / coba カピバラさんとエレクトーン演奏