シンガポールナイト
一般的に言って、一流の人はおおらかで謙虚なものである。けっして細かいことに拘泥することはない。それぞれの道における上達法を聞けば、気軽に教えてくれる。
うん、それはそうだ。オレもそう思うよ斎藤先生。
この本では、そういうおおらかさ、謙虚さと正反対のニセモノの求道者のありかたとして、「こだわりの~」が対置されている。「こだわる」とは「心が何かにひっかかって、本来の目標に向かうことが妨げられている」ことを意味し、「語源的に考えても、いい意味に転じようがない」。これも、この著者のそれまでの本を読んでいたら、まあ、うなずけるが、ここまで言うとは、よほど日ごろから、こだわりの強い一徹者や偏屈者のたぐいにへきえきしてるんだろうか。
私は言わば「学習マニア」なのでいろいろなことに手を出したが、初級から中級に上がったあたり、段級に換算して言うなら、ちょうど初段を取得したあたりが一番稽古が面白い。自分ではいっぱしの努力をしている気になり、その道を極めたようなことを言ってしまうのもこの段階である。だが、そこを抜けると、その先がとてつもなく長いことを知って愕然となる。読者諸氏も心当たりがあるのではないかと思う。
自分の勉強家ぶりを誇示しているうちは井の中の蛙、ということなんだろう。当ブログもそういうものの一種だから、これは耳が痛かった。
夏ジャケット、買ってきた。洋服店から割引券が来ていたので。靴屋にも行ったが、踏ん切りがつかず。夏靴は、まだちゃんと履けるのが、うちにあるはずなんだ。