リンゴの木の下で
「リンゴの木の下で (歌詞付)」 covered by よすけ
BSで周防正行監督の『シコふんじゃった』を放送していたので観るともなしに観ていたが、柄本明が演ずるフランス文学の教師の研究室が木造の建物の中にあるのがずいぶん面白かった。ぼくは東京の大学で学んだことってないからわからないんだけれど、平成になるかならないかの頃には、東京の古い私大では、木造の研究棟なんてのがまだあったのだろうか。
ぼく自身の経験に照らして、これはフィクションにすぎないから…と思いながら見ていたが、現実の大学のありようとずれているのは、むしろぼく自身の経験のほうなのではないか、と少し思い始めた。映画のモデルになっているのはもちろん周防監督の母校の立教大学だろうし、そういった伝統ある私大では、雑事を取りしきることに長けた教員や事務職員が一定数いる、というのは、むかしから聞いたことがあった。
いや、ぼく自身の大学教員としての経験はまったく特殊なもので、しかももうだいぶ忘れているから何とも言えないのだが、自分がそういう雑事全般をいとわない・苦にしない教員であったとはとうてい言えない。課外活動の顧問のたぐいは、まったく苦手で、何の役にも立てなかった。
↓以下の本が出てきてパラパラ読んでいる。こういうゼミは面白いと思うが、これもそんじょそこらの趣味人を連れてきて出来るものではない。しょせんジャズなど趣味、道楽、遊び、と言う人もいよう。しかし趣味でも道楽でも、理論的にこれだけハイレベルだと、けっして侮れない。なおかつ、けっして高踏的にならず、じゅうぶんに明快。「東京大学の」という限定はまったく気にする必要はない。
東京大学のアルバート・アイラー―東大ジャズ講義録・歴史編 (文春文庫)
- 作者: 菊地成孔,大谷能生
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2009/03/10
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