白夜の世代
ドイツという現実をフランス側が認めようとしていないことは明白だ。すでにしばらく前から、私はフランソワ・オランドのことを「ドイツ副首相オランド」と呼んでいる。さらに今後は、むしろ単に「ドイツ首相府広報局長」と見なしてもいいくらいだ。
「ドイツ帝国」が世界を破滅させる 日本人への警告 (文春新書)
- 作者: エマニュエル・トッド,堀茂樹
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2015/05/20
- メディア: 新書
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ドイツ語は身につかなかった。フランス語は習う機会がなかった。世界史の知識ははなはだ心もとない。こういう人、すなわちぼくにはとても面白く読める本。
英語の紙誌だけいくら読んでいても、上記のようなフランス人のドイツ観にはなかなか出会うことがないだろう。いや、以前英字紙を読んでいた時、フランス人と英国人はドイツ人が席を外すと、ドイツ式の行進の歩調をまねては笑いものにしているのだ、といったことを読んだ。あるいは、ギリシャの債務問題がなぜ起こったかというと、あれはEU域内での貿易不均衡で、ドイツが南欧に輸出品を売りつけた結果だ、といった報道もあったと思う。それでも英語圏に、ここまであけすけに言う論者はそういないのではないか。フランス人というのは実に遠慮がなく率直な物言いをする、と驚く。
先日は、これを含め、手あたり次第に5冊借りてきたが、これを読むので精いっぱいかもしれない。疲労の蓄積、というわけでもないんだろうが、字を追うのがかなりおっくう。
ヨーロッパ育ち、という日本人もそう多くないだろう。この人なんかはそうだと思うが。