俺にはブルーズを歌う権利なんかない

どこにも所属を持たず仕事/勉強/読書を続けています。2008年、音楽についてメモ代わりに書くためにこのブログを始めました。

Just the Two of Us

 雪がとけ、アスファルトや土の地面が見えるようになり、雨が降る日もあるけれど、ほこりっぽい。最低気温は零下になったりならなかったりで、一か月くらいで遅い桜前線がやってくる。北海道のこの時期。なんか安堵感があって、いい。

 もうビールは飲まなくなったことは書いたけれど、あの苦くて冷たいのど越しはやはり恋しくて、ノンアルコール飲料のたぐいはよく買ってくる。それじゃダメじゃないか、と言う人もいるかもしれないが、とにもかくにもあれは酒じゃない。アルコールを一切絶つことには成功したので、そのことを大切にしている。

 で、CNNを見てると、他のチャンネルのCMが入るのだけれど、旅チャンネルとかいうチャンネルの『林家正蔵の今日も四時から飲み』という番組は、おっと思う。正蔵こと要するにもとのこぶ平が旅をして、早くから居酒屋に入って飲み出すらしい。自分も、出張のたぐいがあると、夕刻になるかならないかのうちから知らない居酒屋に入って飲んでいた時期が長かった。

 午後4時。ノンアル飲料をプシュっと開けて、ちょっと真似をしてみる。のどが渇いていればおいしい。でも、酔いが回って解放感がこみ上げてくる…といったことは当然ない。というか、あのころ、それの何があんなによかったのか、なぜ昼酒があんなにうまかったのか、もう覚えていないのだ。ただ、気持ちよくなって、ふらふら歩いて、酔いがさめた時のしらじらと空しい感じ、宿なり自宅なりに帰って飲み直しというときの、自分という存在の寂しさと面倒くささ、汗ばんだシャツの不快さ、本を開いても一向に集中できず、頭に入ってこない焦り、そんなことはあったかもしれない。

 自分はただでさえ「自己のテクノロジー」がちょっと弱く、流されやすい。酒など飲んでいたら、ますますそうなる。だから、もうビールを飲まないことは、とても良いことだ。

 いつかの4月買った、ドクター・ジョンの伝記。翻訳が古書でバカ高いので、ペイパーバックを買ったんだった。読んでないが、読んでもいいし、読まなくたって構わない。こうして書いていて思い出すが、あの頃は重圧や激務で心身ともぺしゃんこの暮らしで、いつも逃避や気晴らしのことばかり考えていた。そして、今度の連休はあの本を読んでCDを聴いて、そうしてアメリカ南部の音楽や文学にくわしくなれば、そこに思いがけぬ活路が…といった思考回路になっていた。

 今は激務とか重圧とかはそんなにない暮らしをしているので、逃避や気晴らしも、それほどじりじりと思い詰めずにできる。今日ははじめて入った本屋で、やっぱなんにもないな~と思いつつ、瀬戸内寂聴を一冊買って、次に図書館で手当たり次第に4冊借りてきた。本業と思い定めた仕事/勉強のすき間に、その飽きや疲れをいやすために分野違いの本を読みたくなるということは確かにある。全部読まなくても、眺めるだけでもいい。何の活路にもつながらなくとも、それが気晴らしであり、逃避なんだから。そしてノンアル飲料か、ゼロカロリーのコーラか、アイスコーヒーか、麦茶を。寂聴さんの本は、これはなかなかだ。

 

Under a Hoodoo Moon: The Life of Dr. John the Night Tripper

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寂聴源氏塾 (集英社文庫)

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ハルビン駅へ 日露中・交錯するロシア満洲の近代史

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一四一七年、その一冊がすべてを変えた

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文系学部解体 (角川新書)

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Grover Washington Jr. - Just the Two of Us

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