俺にはブルーズを歌う権利なんかない

どこにも所属を持たず仕事/勉強/読書を続けています。2008年、音楽についてメモ代わりに書くためにこのブログを始めました。

Working In The Coal Mine

そのときに彼は、この論文は面白いと言ってね。それに対して反駁した人間の反駁をレヴィ=ストロースが行なったんだね。「この論文では、王権と王殺しについて論じているけれども、王殺しと王権は十九世紀から二十世紀にかけての単なる伝説に過ぎない。それを取り上げるのは問題だ」と言った人間がいて、それに対してレヴィ=ストロースは、土地の人間がそう考えたのであれば、それ自体が社会的事実なんだと。[…]

 

回想の人類学

回想の人類学

 

  一月は長いなあ。先日来、実はもう春が来はじめているんだよなあ、とだましだまし過ごしているが、この時期の寒さは年々骨身に応える。今日も、石油ファンヒーターで部屋を暖め、古い音楽を聴いて本を読む。

 リー・ドーシー、スマイリー・ルイス、その辺がほんと、この季節にはあう。これはまったくぼく個人の感覚でしかないのだけれど。最初の学生時代、長い春休みに帰省し、たしかプロフェッサー・ロングヘアやファッツ・ドミノのLPを買ってきて、最初聴いたらまったく肩透かしを食らった感じだった。こんな悠長で屈託のないものなのかR&Bって。なんにも知らなかったものだから、もっと哀愁に満ちた「塩辛い」ものだと思っていた。でも、我慢して聴いているうちになじんできて、真冬から春先にかけてはニューオーリンズR&Bがあうという個人的好みが条件反射のように形成されたのだな。

 で、しばらくはそんなこと忘れていた。就職で北海道に帰ってきて、いろいろあってまた「内地」に渡って、あのまま東京へでも出ていれば、思い出すこともなかったんじゃないだろうか。細かいことは書かないけれど、結局、北海道に根を下ろすことになって、冬を宿命として受け入れざるを得なくなってから、ごく自然に古いR&Bをまた聴くようになったのだな。

 雪がとけたらまたあちこち行こう。おととしだったか、美幌の図書館へ山口昌男コーナーを見に行ったら、べつに書棚いっぱいに山口さんの本があるというわけでなく、移動用のちいさな書架か何かに二十冊くらいまとめておいてあるだけだった。ただ、地元紙の切り抜きが貼りだされていて、そこに載った同級生の回想によると、通学の汽車の中でも熱心に英語の単語帳を読んでいた勉強家というから、山口さん自身が語るより、はるかにまともな秀才だったんじゃないかなという気がした。


Lee Dorsey - Working In The Coal Mine (1966)

 

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