花と小父さん
高校二年、三年のときに一番気分がよかったのは、駅に降りたら博物館付近の丘に行くんだよ。桂ケ丘っていう丘なんだけど、そこで弁当を食っちゃって、それからいろんな本を読んで昼すぎにだいたい学校へ行くというようなことをやっていたんだ。いまでは不可能だけどね。それでなけりゃ、学校へ行っても、屋上へ上がって、死角になるところを見つけて、そこで本を読んでいた。
処世訓なんてとくにぼくにはないけれど、年長の権威者を信用しないというのは、知的に早熟な者なら誰にでも思い当たる節があるだろう。そしてそれでたいして間違いの起こらない人生というのもあることはあるのだな。そんなに大げさな話じゃなくても、兄貴風を吹かせるジャズ通は信用しない、というふうに。
むずかしいのは、人は年を取るので、いつの間にかほかならぬ自分がジャズに対する造詣を深め、まさにそのことゆえに年少者にけむたがられる、ということが起こりうるのだ。こればかりはどうしようもない。
午後、茶の間で、半分眠りこけた老母とかみ合わない会話をする。「おまえ、水曜8時からBSでビートルズが出るって言ってなかった?」って、そんなこといつ言ったかな。
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安いテレビとブルーレイデッキを新調。なんとうちは2016年1月になってもブラウン管TVに地デジ対応のDVDデッキをつなげてテレビを観ていた。DVDデッキは早くから買って地デジ移行に備えていたけど、数日前、ディスクを読み込まなくなって、電器店に相談するも、「新品を買えるくらいの修理費がかかる」と告げられ修理をあきらめる。9年もったからいいほうだろう。が、まだDVD-Rに焼いていない映画がHDDの中に何本もあったので、これは痛恨だった。『ダイナマイトどんどん』『秋刀魚の味』『巨人と玩具』『戦場のメリー・クリスマス』…