月夜の盗賊たち
日本軍の将兵たちは「生きて虜囚の辱めを受けず」との戦陣訓のもと、捕虜になるよりも死を選べ、と教育された。このため、捕虜の「権利」を知らず、ソ連の不当な処遇にも従順だった。まじめにノルマを果たそうと競うあまり、体力を消耗して亡くなる日本人もいた。
シベリア抑留とは何だったのか―詩人・石原吉郎のみちのり (岩波ジュニア新書)
- 作者: 畑谷史代
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2009/03/19
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ぼくらは権利を知らない、ということは今日でもあるように思います。
権利という言葉を知らない人はもちろんいないけれど、それがどんなものであるか、どうすればそれを「起動」できるか、ぼくらは知らないんじゃないか。だから、民間でお勤めをしている人はみな知っている通り、お前の給料はどこから出てくるのか、といった恫喝にぼくらは極めて弱いし、ここで給料をもらう以上はこれくらい当たり前、といった論法にも弱い。
シベリアと比べるつもりは全くないのだけれど、大学という場所も、ぼくのかんじでは会社の一種で、ぼくらは俸給を押しいただく従業員/使用人にすぎず、「従順」であることがまず求められ、「勤務先」と独立に、確固とした研究者としての自分がある、という実感は、ぼくの場合、ついに持つことができなかった。
大学なんて、もう昔のことだけれど、その辺の気持ちの整理は、いまだにまったくついてはいませんね。
メモ代わりに。
友部正人 「月夜の盗賊たち・びっこのポーの最後・一本道」 - YouTube