俺にはブルーズを歌う権利なんかない

どこにも所属を持たず仕事/勉強/読書を続けています。2008年、音楽についてメモ代わりに書くためにこのブログを始めました。

Hardcover or paperback

  テーマが上達法なのに、適性論に逃げている。正直な話、上達法を会得していないからだ。外国語習得は時間がかかる。早道はない。損が多く、益は少ない。犠牲とするものは数知れない。時間を取られ、新聞・雑誌も本も目が通せず、ついに将棋も碁も覚えない。ましてテレビゲームにうつつを抜かせない。語学習得──こんな無駄骨折りは決して勧めない。

 

ぼくとポーランドについて、など

ぼくとポーランドについて、など

 

  なかなか大事な事を言っている一節。とくに、新聞・雑誌も本も目が通せず、というくだり。語学の達人が案外本を読んでいない、というのは往々にしてよくあることなのですね。

 二流の大衆小説を何百冊、何千冊と読んでいる…という人に対して、ぼくは強いあこがれがあります。中学・高校の先輩は博覧強記のSFマニアで、和洋のものをとにかくたくさん読んでいました。翻訳家や英語の先生で、英語のパルプ小説のたぐいをたくさん読んでいる人というのも、すごいと思う。まして、日本で、ロシアの大衆小説を網羅的に読んでいる人となると、みな博士号保持者ですよ。

 このことは、外国語をいくつ習得すればよいか、という問題と実はつながっていて、多言語習得を勧める著者さんは思いつくだけで何人もいますが、そのどれかの外国語でB級の大衆小説を山のように読んでいる人って、あまりいないんじゃないでしょうか。

 ここに、翻訳で読めるものはなるべく読んでおくべき、という原則もかかわってきます。いずれ上達したら原語で読んでやろう、と思っていたら、結局あれもこれも読まないまま歳をとる…ということが起ります。

 そうして、そうやって歳をとってしまったのが自分、なのでしょう。今年、英語の本はずいぶん読んだ気がするけど、まだまだ上に書いたようなレベルに達した実感はない。ましてロシア語となると、一冊読むのに二、三週間くらいかけているので…


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