ポキチ・ペキチ・パキチ
私たちはリガの、第十二方面軍の 前線に降り立った。そこでは痩せこけて軍靴も履かない兵らが無残な塹壕の泥の中で病み衰えていた。彼らは私たちを見るや立ち上がり、やつれた顔立ちをして、破れた軍服の間から血色の悪い肉を見せながら、しきりとこう尋ねるのだった。「何か読むものをお持ちになりましたか?」
Ten Days That Shook the World (English Edition)
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札幌から持ち帰った資料を読まねばならんのに、こんなもの読んでるわたし。面白いんだこれが。
前線の兵士がピンナップなどではなく、読むもの=本を欲しがったというのはよく聞く話(ロシアの場合は水着女性のピンナップなどなかったでしょうが)。これはなんとなくわかる。
根室の花咲港に調査に行ったとき、そこのロシア人のための案内所に、ロシア語の小説がひと箱おいてありました。船員がもう読んだ本を置いて、代わりに何冊か持っていくのだ、と日本人の職員のかたが説明してくれました。これも、根は同じだと思います。
ロシア人と読書、ということを考えるとき、いつも思い出します。十日ぐらい逗留できたら、あそこにある本の内容から、船員の読書嗜好を分析できたかも、と今でも考えます。