Thank You - 俺にはブルーズを歌う権利なんかない

タイはこんにち、独裁制のすべての特徴を示している。厳しく抑圧された反体制派、厳格な検閲、野党の抑え込みである。ジョージ・オーウェル『１９８４』を公けに朗読したり、『ハンガー・ゲーム』の三つ指の敬礼のしぐさをする、といったとるに足らぬ抵抗のしるしを理由に、何百という人々が自由裁量で拘留されているのである。（『タイム』誌、２０１５年６月１日号、「タイ国の恥辱」、チャーリー・キャンベル筆）

　う～ん。Hundreds have been detained for trifling signs of protest such as publicly reading George Orwell's 1984....って「大っぴらに読む」ではなく、やはりパフォーマンスとして「公開の場で朗読する」の意味なんでしょうかね。オーウェルを読んでるだけでしょっ引かれるのか、と愕然としましたが。

　文学の無力や無益ばかりが語られるのにすっかり慣れっこになっているわれわれ（少なくともこの自分）。ぼくは東南アジア政治に関しては素人なので具体的な論評はできませんが、一部の国では、この種の文学はいまだに民衆に覚醒をうながす力を秘めたものとして恐れられているのか、とやはり驚かざるを得ないですね。『１９８４』のロシア語訳をモスクワで買ってきたのはいつだったでしょうか。当時もう、普通に店先で売ってましたですね。

　『ハンガー・ゲーム』は未見ですが、「三つ指の敬礼」の三本の指はそれぞれ平等、自由、友愛を示し、昨年タイで反クーデターをあらわすサインとして使われたとか。

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　小雨。駅前の本屋にフロイトの文庫本を引き取りに。脱アマゾンの一環として、地元本屋さんで本を買うようにしています。