俺にはブルーズを歌う権利なんかない

どこにも所属を持たず仕事/勉強/読書を続けています。2008年、音楽についてメモ代わりに書くためにこのブログを始めました。

アイム・カミン・ホーム

 


I'm Comin Home - Clifton Chenier (Live 1973 ...

 明日がバレンタインデイ、まだ冬の終わりが完全には見えません。外は小雪。あさってまで吹雪のところもあるようで、こういう時のために「冬ごもり」と称してCDをいろいろ買っておいたのですが、秋口に買ったブルーズのCD、聴いてないなあ。

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 今という時代の何が便利かというと、たとえば動画サイトという物があること。むかし、音楽雑誌を買ってきていろいろ未知の音楽のことを知っても、音が聴けなかったですよね。そのころ買った『ニュー・ミュージック・マガジン』が物置にあるはずですが、ブルーズ、ソウル、ゴスペル、レゲエ、カリプソサルサ、アフロビート…毎号毎号、未知の情報の洪水でした。あれは今となっては死んだ情報に過ぎないのかといえばあながちそうではなく、もしそれらをここに引っ張り出して来れば、それらに出てくるアーティスト名で検索して、今でも多くのそうしたアーティストの音が聴ける。これはすごいことです。

 昔はブルーズやR&Bのマイナーなものを出しているPヴァインやヴィヴィッド・サウンドといったレーベルのレコードは、特約店にしか置いてなくて、電器店を兼ねた田舎のレコード店から発注することはできませんでした。そして、学生になって、そうした特約店に行けるようになっても、試聴なんぞさせてもらえませんから、要は雑誌を信じて見ずテンで買うんですね。当たりも多かったけれど、あれは「これは名盤だぞ」という刷り込みが先にできているから、よく聞こえるという面もあったんじゃないかなあ。

 ルイジアナ州のザディコと呼ばれる音楽。アコーディオンが大活躍する楽しい音楽です。クリフトン・シェニエなんか擦り切れるほど聴きましたね。ネット通販が普通になって、お金さえあればCDが簡単に買えるようになってから、今思えば、あの辺をCDで買いなおしておけばよかったかも。いつぞや、スカした音楽ばっかりやっていた感のある某ジャズピアニスト(故人)が、突然ザディコをやり始めて驚いたことがありましたが、いうまでもなくこの辺、ルーツですもんね彼らの。滋味あふれる音楽。こういうのこそちゃんとCDで持っていたいです。やはりお金がいくらあっても足りない…