俺にはブルーズを歌う権利なんかない

どこにも所属を持たず仕事/勉強/読書を続けています。2008年、音楽についてメモ代わりに書くためにこのブログを始めました。

NRBQで過ぎて行く秋


 この秋も深まりつつあり、というかこのあたりは初冬ももう間近で、屋内に閉じこもって暮らす日がこれから多くなるこのごろ。冬ごもりの準備、などということをたびたび書いていますが、車での買い物が冬場は不便なので、安売りのお茶の缶、ゼロカロリーのコーラ、スナック菓子等をまとめ買いしておく、シャンプーや整髪料も真冬の夜中に切れてしまうとイヤだから買いだめしておく、とか、そんな季節が間近なんですわ。
 で、オンガクの冬ごもりも…ということになるんですが、ことし、収納場所に困ってCDをソフトケースに移し替える作業をしてみたら、ほぼ千枚弱くらいあって、そういやこんなの持ってたな…というCDがそれこそ何十枚もあり、そんなのを聴いてるうちに、ひと冬なんてあっという間なんですね。

*************************
 で、この秋何回もCDデッキに載ったのがNRBQのベスト盤。16,7年前にタワーレコードで買って、そのまま眠っていましたが、ふと聴くと、いいんだなあこれ。
 NRBQは「ニュー・リズム・アンド・ブルーズ・カルテット(もともとはクインテット)」の略。といっても全員白人によるアメリカのロックバンドです。ブルーズフィーリングとカントリーフレーバーのごく自然な融合、時折顔をのぞかせるジャズ志向、「白人による黒人オンガク」という形容矛盾をそのまま音にしたようなバンド。

 「新しいR&Bクインテット」というバンド名のいかにもな匿名性がひとつのカギでしょうか。ロックとは何か云々をやると、またこいつは…と思われてしまうでしょうが、ロックというオンガクにはあえて個性を押さえて匿名的に流行りもしくは先行者のまねをする、という要素がたしかに存在するのですよね。コピーしつつ、まねをしつつ、そのまねぶりの過剰なまでの徹底によって先行者のひいた路線を逸脱してゆく、というありかた。これは○○のまね、この部分はアレのコピー、でもなんか面白い、ここまでやるかふつー、で、何ていうのこのバンド? そういうのが、いいバンドの認知のされかたのひとつなんじゃないでしょうか。むしろ積極的に類型をなぞりながら、それで決して凡庸な紋切り型に陥らない個性派。てか、飽きないんですね、こういう音。

 動画もいっぱいあるので張っておきます。平凡なピアノブギがだんだんフリージャズっぽくなるあたりは、CDからはうかがえないこのバンドの素顔と思われます。

*************************

 ベーシストがサンタさんの帽子をかぶっていて、そういや昨日、コンビニでクリスマスケーキとおせちの予約パンフレットをもらいました。今日は外出先でアイスクリームを食べたんですが…冬ごもり…


NRBQ~"Boozoo and Leona" - YouTube

(NRBQは一度解散し、この動画はリーダーでピアニストのテリー・アダムズが再結成したもののようです。どうりで特徴あるギターをバリバリ弾いてた巨漢ギタリストのアル・アンダーソンがいません。曲はアダムズと親交のあったザディコのアーティスト、ブーズー・チャヴィスにちなんだものである由)