俺にはブルーズを歌う権利なんかない

どこにも所属を持たず仕事/勉強/読書を続けています。2008年、音楽についてメモ代わりに書くためにこのブログを始めました。

愛でブラジル

今年の夏はいろいろと発見がありました。
前のエントリーで書いたイースタン・ギャング「マジック・アイズ」がそのひとつ。そこで書きましたとおり、あれは日本人が手がけたディスコ・プロジェクト。阿川泰子さんなどと並んでLP盤の中にさりげなく一曲まじっている分には、「よくできたフュージョン歌謡だなあ」なんて思ってたんですけどね。
EASTERN GANG で検索して簡単に動画サイトなど見つかりましたが、同時に、あの曲が、UltimateのRitmo de Brazilという曲にどうもよく似ている…という指摘も目にしました。それはどんな曲なのか? さっそく検索して見つけましたが、聴く前から、なんとなく予感が働きました。
30年ちょっと前、最初の学生生活をしていた頃、ラジオから流れてきた曲。深夜放送の、CMと番組のちょっとしたすき間のような数分間、誰の何という曲かもアナウンスされずに流れてフェイドアウトしていった、切ないメロディ。たった一度聴いたきりなのにずっと忘れられない曲でした。このRitmo de Brazilという曲は、それだったのですよ。

この曲を聴いたころ、僕はまるで気力のない学生でした。なにか音楽ばかり聴いて暮らせる、そんな仕事はないものかと、虫のいい夢想ばかりしていました。一回社会に出て、そういう甘えた性根をこなごなに打ち砕かれるまで、当たり前の勉強すらする気が起きないくらい無気力だったですもんね(当時は簿記の勉強をしていて、二級までは確かに取ったんですが…)。

インターネットというものが普及してもう16、7年経つんでしょうか。いつか、何らかの形であの曲に出会うだろうな…という漠然とした予感はありました。もちろん、昔は動画サイトなんてなかったし、80年代、イージーリスニング、ディスコといったキーワードで検索するだけでしたけどね(この曲は78年発売だそうです)。


こうなると、生きてるのが少し楽しくなりますね。一度聴いたきり、タイトルも演奏者もわからない思い出の曲、まだ何曲かあります。いつかどこかで、ばったりそれらと遭遇する日を夢見て、今日もこの「愛でブラジル」を聴いています。


アルティミット 愛でブラジル - YouTube