俺にはブルーズを歌う権利なんかない

どこにも所属を持たず仕事/勉強/読書を続けています。2008年、音楽についてメモ代わりに書くためにこのブログを始めました。

マジック・アイズ


Magic Eyes - The Eastern Gang - YouTube

昨年、古道具屋の店先で買ったLPレコード"LISTEN TO THE AIR: AMERICAN FM"。アメリカのFMラジオ局のDJが8名くらい登場し、音楽に乗せて英語、一部スペイン語でおしゃべりする、そんなアルバムです。200円くらいで投げ売りされていました。

1983年の発売、となってますね。いまから約30年前。当時もちろんインターネットなどありませんから、今のようにかんたんにパソコンやタブレット端末で海外のラジオを聴くということはできませんでした。

アメリカでは周波数帯が全部ラジオ局で埋まっていて、ロック専門局、ソウル専門局、カントリー専門局、トーク専門局…とよりどりみどり、聴き放題らしい…若者向け雑誌などでたまにそんな特集があって、憧れましたもんね。

このLPは、そんな若者の憧れ、ニーズを満たすために企画されたと思われます。ただし、DJのしゃべっていることは他愛のない時候の挨拶ていどのものだし、音楽も、実はその大半が高中正義阿川泰子渡辺香津美、山岸潤史、つのだひろらが演奏し歌う「和製アメリカ音楽」だったりします。でも、それらが案外聴かせるんですね。今聴いても、いや今聴くからこそ、かもですが、いいんだなあ。

イースタン・ギャングというバンド名に当時は出会った記憶がありません。しかし、このLPのB面、スペイン語のDJのトークの向こうからこの「マジック・アイズ」がフェイド・インしてくる瞬間は、もう完全に80年代ですね。

今調べると、このバンドも日本人が手掛けたディスコ・プロジェクトだそうで。であればこそのこの哀愁のメロディなのでしょう。これは当時聴いてたら、確実に僕の人生変わってましたね。

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このLP,聴くだけ聴いて擦り切れたらそれでいいや、と思ってこのところ聴きまくっていたんですね。でも昨日、某通販サイトを検索してみたら、これのCD版が中古で出品されていてびっくり。目玉が飛び出るほどの高値がついていました。

そこであわてて、今日、レコードプレイヤーの機能を利用してUSBメモリーにデータを取って、パソコンでCD-Rに焼きました。

当時はこのLP,知らないんです。でも、中古のフォルクスワーゲンか何かに乗って、当然、助手席に聖子ちゃんカットの誰かを乗せて、夕暮れ時にこんな音楽聴いて、そして…

じっさい今日、クルマでこれかけてみましたが(ただし助手席には誰もいません)、う~ん、この音楽はこうやって使われたんだな、と納得がいきました。皮肉でもなんでもなく、恋人たちがこんな音楽を聴きながらドライヴしていた80年代に、強い郷愁を覚えます。