エラ・フィッツジェラルド「スターダスト」
相変わらず、CDプレイヤーにはエラ・フィッツジェラルド『ソングス・イン・ア・メロー・ムード』が載ることが多い今日この頃です。今年の冬は、このCDのおかげでだいぶ気分的に救われるところがありました。
年が明けて、ライトニン・ホプキンスを引っ張り出してきたあたりから、濃い洋楽についてもっと勉強しなければ、と自分に要らざるプレッシャーをかけてたんですが、このCDを聴くと「そんなに気負い込むことないわよ」とエラ伯母に諭されている気分になって、とても気持ちが落ち着きます。
僕にとって、音楽は仕事じゃありません。勉強、という表現を使うこともあるけど、無理して勉強する、ということもしたくありません。かつてヤン冨田さんが言っておられたことですが、気が向く、ということが大事。物事にはしかるべき時期というものがあって、あせることはないんです。
エラ伯母のこの名盤だって、アマゾンのバーゲンに出てるのを見つけて、ほんの偶然で手に入れたもの。それがもう、こんなに聴きこんで、なくてはならないものになってます。文字通りメローな、やさしい歌声と、そっと寄り添うピアノ。
この暖かな春の雨のような優美さ。大丈夫、何もかもうまくいく。だから、今夜はぐっすりおやすみ。エラ伯母が「スターダスト」を歌っています。