思い出は美しすぎて
八神純子さんのデビュー曲。なんと言ってもサンタナ風のスローなラテンロックになっているところが点数高いです。表情たっぷりに泣くギターと控えめなリズム。
やさしく 時は流れすぎて
ひとり 振り返る
今でも あなたの微笑を
感じることがあるのよ
フォーク/ニューミュージックというジャンルがもたらした功徳のひとつは、「嫁入り」を前提としないラヴソングを可能にした、ということじゃないでしょうか。この曲も、とっくに終わった恋を振り返りながらこの色っぽさ。今でも「あなた」の微笑を感じることがある、ってぐらい、「あなた」は切迫した実在感を持っているわけで。今は別々に夢を追いかける二人ですが、これ、やっぱり哀愁いっぱいの恋歌じゃないですか。ダメ押しのようにホーンがかぶさってくるところで胸がいっぱいになります。で、もう一回リピート。この切なさ。これが、どのジャンルに属するかは、もはやどうでもいいことです。こうして繰り返し聴きたくなるという、その事実こそ大事です。