俺にはブルーズを歌う権利なんかない

どこにも所属を持たず仕事/勉強/読書を続けています。2008年、音楽についてメモ代わりに書くためにこのブログを始めました。

粋な噂を立てられて

エラ・フィッツジェラルドがエリス・ラーキンスのピアノだけをバックに歌うアルバム『ソングス・イン・ア・メロー・ムード』(1954年3月29,30日ニューヨークで録音)、全編いい曲ぞろいです。なかでも「People Will Say We're in Love」の粋さ。

私にブーケを投げないで

私の身内のごきげんをあんまり取らないで

私のジョークに大げさに笑わないで

みんなが「あの二人、つきあってるぜ」って言うじゃない

僕が持ってるのはこないだの正月に買った日本盤なんですが、この曲、邦題が秀逸。題して「粋な噂を立てられて」。

ただ、この邦題だと「噂を立てられて嬉し恥ずかし」の状態が想像されますが、詞を聴く/読む限りでは「惚れたらあかんよ」的なニュアンスが感じられます。素敵な女性ってのは、こういうサインの出し方もうまいんだなあ。半分はぐらかしつつ、「なれなれしくしないで」というメッセージをきちんと伝えるっていう。

オスカー・ハマースタイン2世の詞とリチャード・ロジャーズの曲。1943年のミュージカル『オクラホマ』からの曲。

この盤は、アマゾンのバーゲンコーナーで見つけました。いえね、マイルスの『オン・ザ・コーナー』が売ってたはず、と覗いたらそれはすでになくて、これを発見。安かった。ときどき覗くと面白いもの売ってます。