俺にはブルーズを歌う権利なんかない

どこにも所属を持たず仕事/勉強/読書を続けています。2008年、音楽についてメモ代わりに書くためにこのブログを始めました。

二人のムラサキ東京

キンモクセイって、活動休止しちゃったのですか…

キンモクセイ&東京ジェンヌ「二人のムラサキ東京」

2004年3月24日、カセットで発売されたオルタナティヴ歌謡曲キンモクセイ8枚目のシングルで、デュエットソングになってます。で、東京ジェンヌって誰だ?と話題になったらしいですが、すぐ松たか子さんだってわかっちゃいましたね。

これ、初めて聴いたのは有線だったと思います。発売間もない頃ですね。夜8時ごろ、ひと気のない地元のアーケード街を歩いていて、この曲が流れてきたのです。あれっ?これ誰?すぐ調べてキンモクセイのシングルと判明、アマゾンで注文しました。そういえば、CD屋さんにムラサキ色の東京の夜景を使ったカセットが売られてて、「なんだろう?」と思ったこと、ありましたね。

あれから何度聴いたでしょう。いま、iTunesのなかで鳴ってますけど、ホーンもストリングスも使わずに、ロックンロール・コンボにスティール・ギターとケバいエレクトーンを加えるだけで、まさにムラサキ色のムード歌謡の世界を生み出すことに成功しています。いいメロディに切ない詞。ただちょっと、このレトロな歌謡色の濃厚さ、凝りすぎだったかもしれません。

その、凝りすぎ、というところがね、僕にはよかったんですけどね。「ポピュラー・ミュージック・グループ」を名乗り、「車線変更25時」では筒美京平サウンドのコンテンポラリーな再現に果敢に挑んだ彼ら。この「二人のムラサキ東京」が大ヒットしてれば、たとえば紅白出場とかに至っていれば、グループの運命も変わったんでしょうけどね。これ、今聴いても、マジで紅白狙ってたと思いますもん。

誰だって、始まりは、知らない人同士だから。歌謡曲の再現うんぬんを別にして、ふつうにラヴ・ソングとして聴いても、純で美しい曲だと思いますけどね。「あなた、東京の人よね?」「ううん、神奈川」というオチが泣かせます。今聴いても全然色あせない僕のオールタイムフェイバリット。この曲が大ヒットしなかったんだからなあ…もう一回聴いて寝ます。