俺にはブルーズを歌う権利なんかない

どこにも所属を持たず仕事/勉強/読書を続けています。2008年、音楽についてメモ代わりに書くためにこのブログを始めました。

ザ・タイガース「美しき愛の掟」

なかにし礼作詞 村井邦彦作編曲 ザ・タイガース「美しき愛の掟」(1969年)

先日書いた、『トーキングウィズ松尾堂』の二月八日の放送で佐野史郎さんがリクエストしていた曲です。ザ・タイガースゴールデン☆ベスト』が届いて、この曲ばかりリピートして聴いてました。いや~、なかにし礼さん凄すぎ。なんせ「ぼくは君のために 重い罪をおかし」と始まるんですからこの曲。重い罪って、何をやったの?と思ったら「鎖につながれても かまいはしない」という、仮定のお話なんですね。あんまり深刻な曲調なもんだから、何があったのかと…でも、この村井邦彦さんの作る曲、それまでタイガースの楽曲を手がけていたすぎやまこういちさんの世界とはひとあじ違った、なんというかニューロック歌謡ですね。ギターも泣いてるんですが、過度に泣きが効いてない感じで、全体に音圧が低いのがかえってかっこいいです。ベースは、これスタジオ・ミュージシャンじゃなく、サリーが自分で弾いてるんでしょうか。サリーって、岸辺一徳(当時は修三)さんですが…サイドギターとベースが細かいビートを刻んでじわじわ盛り上がってきます。歌謡曲でありながら、まぎれもないロック。

でもやっぱなかにし礼さんがすごいですね。「ぼくは君のために 人のそしり受けて 牢屋で死んでも かまいはしない」。「牢屋」って…。君のために社会的制裁を受けて、なおかつ投獄されて獄死してもかまいはしないんだ、という、これは半端じゃない恋歌ですな。オトコがこうして身を投げ打つからこそ、オンナの人は心動かされる…

昨日、このCDをかけながら原稿を書いていました。今日、プリントアウトして封筒につめ、明日は東京に送ります。これで今年も一本は投稿。あ、タイガース『ゴールデン☆ベスト』?他にもいい曲いっぱい入ってます。充実した週末でしたよ。