俺にはブルーズを歌う権利なんかない

どこにも所属を持たず仕事/勉強/読書を続けています。2008年、音楽についてメモ代わりに書くためにこのブログを始めました。

小泉今日子『KOIZUMI IN THE HOUSE』

格差、貧困、制度のゆがみ…コイズミのはじめたことがすべて悪い、コイズミが諸悪の根源だ、コイズミのやったことのしわ寄せが…と議論がかまびすしいですが、そんなとき僕は思わず叫んでしまうのです。

キョンキョンはなんにも悪くないよっ!

え?話題が違いますか?

平成元年の『KOIZUMI IN THE HOUSE』。近田春夫さんや小西康陽さんらが関与して、当時のかっこいいクラブ・ミュージックを取り入れた作りになっています。発表当時、『ミュージックマガジン』誌でたしか高橋健太郎さんが絶賛の評をお書きになっていました。今聴けばあくまで当時の音ですが、当時は、キョンキョンという稀有の素材を使って近田さんらが玄人受けするアルバムを作った、と受けとめられていたと思います。高橋さんのレコード評を読んで「聴きたいな」と思ったのを憶えてます。

聴きたいんだけど、当時、二度目の苦学生生活に突入したばかりで、お金がないのですよね。その後もずっと気になってましたが、セコハン屋でも安い値がつくことはなかったですね、このアルバム。ずっと後になって、就職してお金が入るようになってから買いました。前述のとおり、今聴けば当時の音でしかないですが、聴いてるうちに時代感覚が後戻りして、だんだんのめりこんで行くのが自分でわかります。なんせビブラストーンがバックをつける曲があったりしますから。

今、ジャケを見て確認するとプロデューサーは小泉今日子さん自身となってますね。どこまでがそうなのか…近田さんや小西さんに「私を素材に徹底的に面白い音を作ってよ」って頼んだ程度のことかもしれませんが、「自らの商品としての価値を自己管理するアイドル」というキョンキョンのイメージの完成形がここに提示されているんだと思います。

平成元年。20年前、いやまだ19年前ですかね。僕も若かったし、キョンキョンも若かった。裏ジャケットのキョンキョンのへそ出しがセクシーできれいです。