俺にはブルーズを歌う権利なんかない

どこにも所属を持たず仕事/勉強/読書を続けています。2008年、音楽についてメモ代わりに書くためにこのブログを始めました。

あいざき進也「気になる17歳」

うねるビート。重いホーン・セクションのリフ。今の歌謡曲にない音です。ちょっと聴くとずいぶん「もたっ」としている感じに聴こえるかもしれませんが、これが1974年当時、最先端の洋楽を咀嚼して得られたサウンドだったのです。あいざき進也「気になる17歳」。バックをつとめていたのはMMPという楽隊です。このバンドがのちに和製アース・ウインド&ファイアースペクトラムに発展してゆくのでした。

今聴くとホーンとリズム・ギターが重くハモッているところが時代がかって聴こえるんですが、まさにそこなんですね。ビッグバンド・ジャズから発展してきたそれまでの歌謡曲の伴奏とはぜんぜんルーツが違い、かといって「何風」かと問われると簡単に「○○ふう」と言えません。ブラス・ロックやソウル・ミュージックを参考にしてるんでしょうけども、今となっては「MMPサウンド」としか言いようがありません。当時のフツーのロックのアンサンブルにない管楽器のかっこよさ。聴きこむほどに惹かれます。

詞は、こんなに君のことが好きなのに、君はうわさのあいつと歩いていた、という内容。昨日書いたとおり、「君のハートに火をつけて」において、ヨリ純度を高めて歌われる「嫉妬する少年」の形象がここにすでにあらわれています。それにしても、都会の中高生って、こんなにたやすく男女で喫茶店とか入れたりするの?というのが発売当時の僕の素朴な疑問(と憧れ)なのでした。都会の学校、行きたかったなあ。